内容説明
ペルシア眩人の幻術に自らの栄達を夢見た遣唐留学僧玄〓は、聖武天皇生母の重病を秘薬によって癒し、寵をきわめたかに見えたが…。爛熟の唐都長安と天平の奈良を舞台に、政僧の野望と挫折を描いた、畢生の歴史大作。
感想・レビュー
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紅花
11
文武天皇夫人、藤原不比等の娘「宮子」が37年もの間煩っていた「心の病」を治した玄肪の栄光と没落を、松本清張らしい、膨大な資料を元にして推理していく。清張の推理の是非は別にして、その自然な推理に苦手な事柄や人間関係がつかめやすくなり、歴史の世界が益々広がっていって、楽しく読めた。清張の推理力を改めて感じた一冊。2017/08/23
i-miya
9
2006.07.23 P028 北曲 胡楽 春明門 P030 平康坊 北里 妓館密集 南曲 張泰牙の店主 日本の沙弥2人 惟安 玄昉 長安=京城 歌吹海 泰牙の情人=惟安 P034 姉妹でなく兄弟に擬制 北里の習慣 伯母 胡姫 房中の技 阿倍仲麻呂 下道真備(しもつけのまきび) 留学僧(るがくそう)P043 康忠恕 薩宝 薛懐義 馮小宝という薬売り 胡の人 P061 大雲経 千金長公主 高祖の娘 ?教祠(けんきょうし) 2006/08/06
K子
4
中国語読んでる気分になるような難しい漢字や言葉が続くけど 、なんか面白くて読めた!歴史に対して、作者の勉強からくる根拠ある推測が多々入ってて、興味深かった〜2015/07/30
はじめさん
3
天平時代。出世欲の強い僧の玄眩は、留学先でペルシア人の幻術に魅せられ、若い胡人の薬師を伴い帰国する。遥か西域の未知なる薬と幻術を用い、宮中でなりあがらんと欲す。その栄達は果たして現か幻か。/瓜生やしたり火を噴いたり剣を呑んだりする体術と、火を奉ずるゾロアスター教と山伏らの護摩の共通項が語られたり、そっち方面好きな人は楽しめるはず。/しかし注釈多いな。自説を講じるにあたり、相当勉強したのがうかがえる。/2014/11/16
i-miya
2
北曲、胡楽、春明門、平康坊、北里、妓館密集、南曲、張泰牙の店主、日本の沙弥2人、惟安、玄昉、長安=京城、歌吹海、泰牙の情人=惟安、姉妹でなく兄弟に擬制、北里の習慣、房中の技、阿倍仲麻呂、下道真備(しもつけのまきび)留学僧(るがくそう)康忠恕、薩宝、薛懐義、馮小宝という薬売り、胡の人、大雲経、千金長公主、高祖の娘、けん教祠(けんきょうし)、胡人のもつ独特の腋臭、牧護(まご)たち、大阪市立大学教授、山根徳太郎、聖武天皇の難波宮跡、大阪法円坂ー内久宝寺、S30-S43 30次発掘調査