内容説明
アカシヤの街路樹が美しい日本統治下の大連。著者自身、少女時代を過ごしたこの街には、無数の陰謀が渦まいていた。川島芳子男装の理由、阿片王といわれた男の素顔、ダンスホールをめぐる不倫殺人など、謎の真相を描き出す大連秘史。
目次
大連阿片事件
阿片王・石本〓太郎
男装の麗人・川島芳子をめぐるある誤解
張学良の抗日決意を知った男
もう一つの関東軍謀略事件
ダンスホールをめぐる医博児玉誠邸殺人事件の怪
碧山荘・苦力たちの夢のあと
大連のパトロンとテロリスト
敗戦前夜の大連
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
すぎえ
12
旧満州国で関東軍の役所があった大連。旅行前に歴史を軽く知っとこうと思ってよんだけれどアヘン関与とかの腐敗がすごかった。まったくもって無知ぶりをしった。『坂の上の雲』で旅順の近代戦経験ののちの統治下、黒々してたんだなぁ。こんな過去があったにも関わらず、大連には親日家がやはり多い。その一方で瀋陽のほうがより反日感情が強いというのが現地の方の意見でした。目覚ましい経済発展の中で埋もれていく歴史というのと、前向きのパワフルさを感じた旅でしたが、事前にこうやって本で知ることも大切なのだと思った読書でした。2010/03/09
Gen Kato
1
大連で生まれ育った作者による大連事件史。一見、政治や軍部と無縁にみえる児玉博士邸の殺人事件が、当時の現地の空気をもっとも伝えているのかもしれない。2015/07/01




