内容説明
古代の日本語はどのように成立していったのか。木簡や土器墨書、金石文に残された文字は現代に何を伝えているか―。古代史を探るうえで最も基礎的な問題、言語と文字文化の実態を多方面から考察する。
目次
1 新発見の文字資料―その画期的な役割
2 古代日本語の再構成
3 日本語と中国語の交流
4 古代朝鮮の言語と文字文化
5 漢文の受容
6 表記の展開と文体の創造
7 暮しのことば、手紙のことば
8 文字と記号
9 木・紙・書風
10 銘文と碑文
11 筆・墨・硯が表す社会
12 習書と落書
13 土器に書かれた文字―土器墨書
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
27
ようやく読了。日本語と東アジアとは、古代の密接な結びつきを想定しないと、説明できない要素が多い。高句麗・百済・新羅の三国の言語は、残されている文献がほとんどなく、不明な部分が多いが、古代日本語との類似には注目すべきものがある。日本語が系統的に孤立しているのは、証明が困難ではあるが、結局周囲に存在した近縁の言語が消滅した結果ではないだろうか。そして現代の言語生活と似ていながらも、明らかに異質な言語世界が、奈良や平安の世には広がっていたのである。新発見の文献や発掘資料が語る古代の日本は驚きに満ちている。2015/04/28
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