内容説明
名門女子校天川学園の百周年記念式典に上演された、高等部演劇部による『そして誰もいなくなった』の舞台上で、最初に服毒死する被害者役の生徒が実際に死亡。上演は中断されたが、その後も演劇部員が芝居の筋書き通りの順序と手段で殺されていく。次のターゲットは私!?部長の江島小雪は顧問の向坂典子とともに、姿なき犯人に立ち向かうが…。犯人は殺人をゲームにして楽しむ異常嗜好者なのか。学園本格ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
銀河
35
途中で読むのをやめられない。夜中2時まで読んでしまった。アガサクリスティの作品を読んだことがなかったのだけど、とても楽しめた。ドキドキしながら、推理しながら(大ハズレ)、別荘の場面でそうだったのか!その後今一度のそうだったのか!感情論だけど、この人がこの人を殺しちゃダメでしょ!って部分が。そしてラストの手紙の送り主が好きになれなかったなぁ。文面に使われた比喩表現が許せないと思った。全体的にはとてもよくできたおもしろい作品だった。この作者さんは三作目かな、今までハズレはない。2011/03/27
Zann
21
題名通りのクリスティ『そして誰もいなくなった』をベースにした学園ミステリー。20年前の作品だからなのか、ユーモアミステリーを意識してなのか表現が古くさいため、最初は入りこめませんでしたが、連続殺人、わざとらしすぎるほどの伏線、ホワイダニットとフーダニットがなかなかの物で、後半はのめり込んで読んでしまいました٩(❛∀❛)✧ˈ‧˚ 軽いミステリーを読みたい時にお薦めです(笑)2014/07/22
ともちん
12
名門女子校での祭典の中で演劇部がアガサ•クリスティの「そして誰もいなくなった」のリメイクを上演中に服毒死する役柄の生徒が本当に青酸カリで死んでしまう。そこから次々と物語に沿った順番、殺害方法で生徒が殺されていく。読み易く怪しさ満点の人物など思考を凝らした展開であっという間にラスト。どんでん返しのどんでん返しな感じでした。読了後のなんとも言えない感じも今邑氏らしくて流石だなと。2022/08/13
ひー坊
10
久々に面白い本に出会えた。上手く「本歌取り」された作品。2021/05/27
造理
8
★★★★☆ どんでん返しの連続で驚かされましたが、その分キャラが変わりすぎというかやや不自然な感じを受けました。ただ有名作をモチーフにしつつも独自の展開で楽しめました。原作のネタバレがあるのでそちらを先に読むことを勧めます。2015/06/26