内容説明
女の作った物語の中に閉じ込められた男と、男の作った時代の中に閉じ込められた女―光源氏と紫式部。虚は実となり、実は虚を紡ぐ。本書は、物語を書く女の物語として、改めて始められる。
目次
雲隠
匂宮
紅梅
竹河
橋姫
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
21
窯変の中でも異色の一冊。読者によっては拒絶反応すら示しそうなのが「雲隠」。原文では題名のみで本文なしの帖(光源氏の死を暗示)なのだが、ここで突如、一人称が光源氏から紫式部に替わり、執筆背景などが語られ出すというメタな展開に。光源氏の視点で描かれているという本作の最大の特徴を継続することが出来なくなり、どうするのが良いかという迷走が具現化されている印象を受ける。そして続く匂宮〜竹河では女房の語りという原文への回帰がなされるのだが、そもそも物語として余り面白味のない三帖なのでなかなか読み進められなかった。2022/02/08
かふ
16
『窯変~』を最初に読んだときに光源氏の一人称で死後はどうすんだろうと興味があったが「雲隠」の紫式部との入れ替えが見事過ぎた。「雲隠」が『窯変~』のすべてかもしれないと思ってしまったほど、この展開はスリリングだった。メタフィクション好きには溜まらない展開だと思う。それも原作あってのことなんだが。橋本治は単なる翻訳ではなくて批評としての小説になっている。モダンなのが「ウェイリー訳」ならポストモダン小説。その後の匂宮三帖は、なんで大君と中君で混乱するように書いたのかと思って、恋愛の綾なのかなと。2024/07/20
maekoo
8
画期的な深掘昇華現代語訳全14巻の十壱巻、マニアックな雲隠・匂宮・紅梅・竹河・橋姫を描く511P。 雲隠は本来本文の無い巻だが後の帖に繋げる光源氏の生の振り返りと想い、そして次の語り手としての紫式部の何故書くに至ったか等含む想いや一条帝時代の宮中の様を綴ってて面白い ! 匂宮の紹介、そして故致仕の太政大臣(光時代の元頭中将)の次男按察使大納言(紅梅)と妻の真木柱そして髭黒亡き後の玉鬘双方の夫々巧く行かない苦労多き我が子の出世や縁付け騒動記、夕霧の子蔵人少将の話まで有り、光物語と宇治十帖で源氏物語を読ん→②2025/12/18
NORI
3
読みやすい。その帖開始時の年齢付き人物相関図が記載されており、理解の助けになる。
みほ
3
語り手が変わると一気につまらない。最後まで買い揃えてしまったけれど、もう進めないなぁ。2014/01/28




