感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
16
大事件はないが、全体を通じて玉鬘争奪戦が展開。後に見られる彼女の強さはまだこの頃は見られないものの、光源氏の魅力は必ずしも女を100%意のままに出来ないことを示した女性の一人である。さて、本巻で近江の君が登場。彼女のセリフがどんな口調に訳されているのかが、異なる現代語訳を読むたびに気になるところ。窯変での彼女はこれまで読んだどの彼女よりも噛ませ犬感炸裂。そして源氏の末摘花に対する恨み返しの冥歌「唐衣ああ唐衣唐衣返す返すの唐衣かな」が登場するのもこの巻。2021/10/08
小谷浩二
3
窯変源氏物語も7まできたかという感じです。美意識に裏打ちされた表具みたいな作品。読みながら、春の雪を読んだ頃も、こんな感触を感じてたと、春の雪の読書の頃も思い返したりします。2014/06/22
みほ
2
玉鬘、なかなかのものだなぁ。2013/12/29
NORI
1
読みやすい。その帖開始時の年齢付き人物相関図が記載されており、理解の助けになる。
madhatter
1
再読。個人的に「蛍」における源氏のサプライズは、玉鬘にしてみればセクハラ以外の何物でもないと思う。それはさておき、玉鬘は外部から入ってきた異分子ではあるのだが、前巻における源氏サイドの「華麗な閉塞感」を打ち破るのではなく、それに囚われてしまった観がある。六条院自体、行く場所など他にない女たちを集めた、源氏の美意識の粋が結集した牢獄に見えなくもない(言い過ぎか)。むしろ、閉塞感を打ち破ったのは、近江の君ではなかったか…(笑)。本作品における、子供世代に対する橋本氏の皮肉な視点は、彼女に限らず面白い。2012/08/06