内容説明
時とともに新しい金子光晴の詩のエスプリを誰よりも愛し、吸収した妻森三千代。中国から東南アジア、ヨーロッパへと、夫婦別々に、あるいは手をたずさえての放浪生活―ひとびとが戦争に疲弊しきっていた中で、時代に流されることなく、個として生きつづけたふたりの深い絆を、鮮烈な詩人の眼で描く。
目次
第1章 気がつけば大詩人の女房
第2章 “あしながおじさん”を捜す
第3章 古典を読む
第4章 森三千代仏語詩集『詩集インドシナ』
第5章 男と女の象
第6章 “道行南方洋”
第7章 光晴の「令嬢」志向(講演録)