内容説明
東条英機、広田弘毅、板垣征四郎…極東国際軍事裁判で死刑を宣告された戦犯たちは、念仏を唱え、ブドー酒を飲み、微笑さえ浮べて処刑場に向った。死を前にして彼らの胸に去来したものは何だったのか。巣鴨拘置所で戦犯たちと接し、最期まで見送った教誨師が、平和への願いを込めて綴る、極限下の生と死の記録。
目次
序章 巣鴨の門
第1章 文人の感起
第2章 花とローソク―老軍人の告白
第3章 東京裁判の二年間―病室の東条、大川
第4章 二十七死刑因の記録
第5章 巣鴨生活みたまま
第6章 東京裁判の終幕
第7章 七人との面談記録
第8章 昭和二十三年十二月二十三日午前零時一分
第9章 平和の発見
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れい
1
未だに、第二次世界大戦関係の本は見つけたら読まずにいられない。この本も古書店で購入した絶版もの。巣鴨プリズンで教誨師をしていた著者が戦犯死刑者とのやりとりや当時の印象をまとめている。どの人も遺恨などなく仏教の力でとても平和に己の運命を受け入れていった姿が印象的だが、あとがきで上坂冬子が指摘する「著者の合理的な態度は、一部の戦犯からは憎まれた」という事実を知って、戦犯をめぐる複雑な感情を考えずにはいられなかった。2011/10/12
イワハシ
0
東条英機氏が、巣鴨の獄中で「阿弥陀仏の本願」に救われたことは、たぶん本当だ。教誨師であった花山先生が、具体的に事実を書き残されておられる。2022/08/08
-
- 和書
- 聖書に見る女性の生き方