内容説明
書をよくし、画を描き、印を彫り、美味を探り、古美術を愛し、後半生やきものに寧日なかった多芸多才の芸術家―魯山人が、終生変らず追い求めたのは美食であった。折りに触れ、筆を執り、語り遺した唯一の味道の本。
目次
数の子は音を食うもの
くちこ
明石鯛に優る朝鮮の鯛
田螺
美味い豆腐の話
筍の美味さは第一席
海にふぐ山にわらび
いなせな縞の初鰹
若狭春鯖のなれずし
洛北深泥池の蓴菜〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
T2y@
39
多芸多才な魯山人の中でも、最も才を発揮した料理についての随筆集。しかしながら辛口すぎて、これは飯が不味くなるなあ。あとがきにも、孤独な晩年が言及されている。「理を料るのが料理」とあったが、厳しさの加減は料れずか。。納豆茶漬けが美味いとの教えは試したい。2023/03/26
読書ニスタ
34
コンビニ弁当では、筋トレに必要なタンパク質摂取にも問題あるし味気もないし、ホットクックを買うか、迷う。高いが時短と栄養価が高くなるなら。昼食はチキンと野菜スープとかかな。前の晩に材料を掘り込めば、朝には完成。で、積読の魯山人味道を手に取る。美食の道は、手の込んだもので、目、鼻、口を楽しませるとある。器も大切。タニシは滋養強壮にいいとあった。魯山人にホットクック見せたら色々入れそう。誰かのメシが不味くて家に帰りたくないからとか、断じてないが、お叱りの言葉もあると思うので、先に申し上げる、御免なさい。2019/09/23
ビイーン
29
私は魯山人が結構好きかもしれない。彼は狷介な性格が災いして周囲と衝突ばかりしていたという。本書でも『それはちょっと言い過ぎじゃない?』って声に出して言いたくなるほど毒舌がキツイと思うところもある。たしかに魯山人の性格は両極端かもしれないが、それくらい強烈な個性を持っていたからこそ、文章や作品群が今も輝き続ける。 2020/04/29
ビイーン
22
魯山人の料理に対する鋭い観察眼はさすがだ。味道の本だが魯山人の毒舌も楽しめて味わい深い。結構ユーモアがあって面白い人物だと思え、魯山人に対し以前より親しみを感じている。時折、読み返したい1冊となった。2018/02/12
ロビン
20
陶芸に篆刻に書道にその天才を発揮した芸術家・北大路魯山人が、終生変わらず追い求めた美食の道について語り遺した一書。魯山人は不幸な出自を持ち、貧しい青少年時代を過ごし家庭や愛情に恵まれなかったためか狷介な性格で、6度の結婚はすべて破綻し、2人の息子は夭折、溺愛した娘とも悶着があり絶縁したという。一読して、言われるほどひどい人ではないのではという印象であった。人間国宝の認定を「作家は作品がものを言うのだから、勲章なんてアクセサリーはいらない」と辞退したというから、最後まで自分の筋を通した人であったと思う。2019/10/08
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