内容説明
日本軍は開戦70日にして、英国極東戦略の要衝シンガポールを陥れた。英国民がその不敗を信じて疑わなかった要塞が、なぜかくも脆く、かつ速やかに陥落してしまったのか。著者は、関連する膨大な記録と資料を渉猟するとともに、同地での戦争を体験した人々にインタビューを行ない、本書にこの疑問の回答を示している。文庫オリジナル版。
目次
第1部 攻囲されるまで(平和に別れを告げた日;開戦の日;大惨事の相次いだ週;小康を保った月;爆撃下に明け暮れた月;神話の終焉)
第2部 いくさの渦中(敵襲を待ちながら;総攻撃;不吉の金曜日;滅びゆく都市)
第3部 いくさの果てに(チャンギーへの道;苦難の歳月)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
千本通り
7
この本は太平洋戦争(当時の日本では大東亜戦争)直前の平和時から、戦闘、降伏、虜囚生活、大戦後の解放までが描かれている。その描き方はシンガポール戦役中に同地にあった有名、無名の軍・官・民数十名を実名で登場させ、戦闘の経過をたどりながら、この異常な戦時下における彼らの行動と心情を、その日記、聞き書き、その他の記録、および膨大な資料に基づいて綴られた。原著初版が出版されたのは1968年で、当時であれば現地体験者の大半がまだ健在だったので、彼らへのインタビューも可能であったろう。 2025/02/15
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