内容説明
アズテカ文明の催淫剤チョコレート、食することが反体制的行為だったフグ、ローマ人に珍重された美味ラクダ、マザコン・モラトリアムの魚ヤマメ、紫式部も食べたレタス、パリのグルメを救った広島出身の牡蠣、一人娘が旨いエダマメ、性的に乱れた植物パパイヤ…。およそ人類が口にし得るありとあらゆる食材について、その来歴、逸話、お薦めの調理法など、ウンチクの限りを尽くした面白事典。
目次
ブドウ〔葡萄〕
イノシシ〔猪〕
ハクサイ〔白菜〕
タラ〔鱈〕
タラコ〔鱈子〕〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HIRO1970
15
☆★☆これはまさにみっけもんです。今から30年程前の83~84年に週刊文春に連載分。もの凄く奥の深い食材にまつわるエッセイで手元に欲しい一冊です。ヨーロッパはもちろん中国・東欧・南太平洋、様々な国の背景を掴んでおられるのに驚きました。私は中国の事は関わりも多く多少は判断がつくのですが、語源や由来、調理法等についての記述は実に詳細で誤りがほとんど無いのに驚きました。この時点で30代後半ですから今の僕より大分若いのですが、文章を読むと随分年上の様に感じます。まだまだいっぱい著作があるのでこれからも楽しみです。2014/02/22
クジラ
3
食材に関する薀蓄集。玉村氏が普段行っている料理の様子も分かって面白い。何か食材を買った時に参考にしてみたい。2010/10/16
りもこ
2
ひさしぶりに再読。栞代わりにしていた某施設割引券の有効期限が平成20年3月…7~8年ぶりに手に取ったということかな、これ。しかしなんと30年近く前に書かれた本なんですね。玉村さんが軽井沢在住時ということや一部の記述以外は内容的にはさほど古さを感じさせず、十分に楽しめる蘊蓄の数々。食欲をそそられる一冊。2015/09/29
もけうに
1
食に関する蘊蓄本。サクサクと読み易い。初出が古いので流石に文章が古いが、内容は充分現在に通用する。玉村さん著食エッセイなので、当然安定のクオリティ。2019/04/15
ナウラガー_2012
1
フランス人は、鮮度が落ちるといって果物を水洗いするのを嫌う/菠薐草(中国語)でホーレン草、”菠薐”はペルシャのこと。ホーレン草は、”ペルシャ”が原産で西域から伝わったのだという/牡蠣のワイン:「シャブリ」「マコン」「サンセール」か牡蠣の本場ブルターニュの「ミュスカデ」か..仏の牡蠣は一旦病菌で全滅し日本から稚貝を大量輸入し養殖事業を立て直したそう..葡萄も同じで、アメリカからの苗木で生き返ったそう..広島の牡蠣を北海道の厚岸で育てると巨大な厚く重い殻の牡蠣「厚岸カキ」になる../女性の性的な”媚び”を”コ2011/08/04