出版社内容情報
一九八六-九一年、身近な話題とともに土地問題、解体したソ連の問題等、激しく動く現代世界と人間を省察。世間ばなしの中に「恒心」を語る珠玉随想集。
内容説明
一九八六―九一年、身近な話題とともに、日本の土地問題、解体した「ソ連」の将来にのこる問題にいたる、激しく動く現代世界と人間を省察。世間ばなしのなかに「恒心」を語る、珠玉の随想集。
目次
都市色彩のなかの赤
言語の魅力
正直
高貴なコドモ
四十の関所
自己について
ことばづかい
顔を振る話
男の化粧
受験の世
やっちゃん
スクリーン
“独学”のすすめ
おばあさん
風邪ひき論
電車と夢想
握手の文化
熱いフライパン
歯と文明
呼び方の行儀〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
62
何と読み易いエッセイ。司馬氏と言えば歴史等といった課題のモノを取りあげる事が多いが、こちらはもっと身近で日々感じている事や、生きていくうえで根底にあるもの等比較的分かり易いテーマのものが多く、司馬氏の本が苦手な人でも入り易い本なのかもしれない。テーマは身近でも博識ぶりは健在。隙間時間に1ヶ月かけて読んだ。下巻へ。2017/12/29
たつや
52
司馬さんは、私にとって本当にごく最近、読み始めたので、馴染みがありませんが、このエッセイを読むと、とても親近感が湧き、昔から、知ってたような錯覚を覚えます。2016/11/13
KAZOO
38
これも司馬さんが産経新聞に月1回1986年から1991年にかけて書かれた随筆です。やはり読書層が新聞なので「この国のかたち」に比較すると題材も身のまわりのものが多く読みやすさがよりあるように感じました。それでも格調の素晴らしさはあるように思います。中学・高校の教科書に掲載するにはもってこいの長さと内容だと思いました。2014/09/28
Cinejazz
25
〝「風塵抄」とは、細切れの世間話と解してもらえれば有難い〟と司馬遼太郎氏のあとがきにあるように、日常の身近な話題に交えて国内外の前代未聞の事件、動乱の現代社会と人間、ソ連の将来や日本の土地問題、天皇と統帥権など、多岐にわたり考察された64編+1の随筆集。 (1986-91年産経新聞朝刊に掲載分)2022/11/28
nao1
23
平易で長くもなく難しくもないのに時間がかかったのは「のどかな事を、読者とともに考えたい」という執筆姿勢だから。 本を置いて、しばし考える時間がとても長かった。司馬さんと一緒に考えられるなんて!だから読書は素敵なのだと思う。 のどかなこと、高校生の通学風景や虫歯のことなど身近な世間話から、時勢がら、ソ連崩壊や湾岸戦争のようなのどかでない話までに及んだ。(バブル末期の連載)歴史は上代から、ところはヨーロッパまで広がる古今東西の豊富な話題にふれながら語られるため、時空を超えたようなひろびろとした気持ちで読んだ。2015/10/26