内容説明
蚊の目玉スープからカミキリムシの蛹、オタマジャクシ、ヒルのソーセージまで、昆虫であろうと爬虫類両生類であろうと灰であろうと食べつくす、世界津々浦々の珍しいしかも理にかなつた食の生態。「食の冒険家」が自分の舌で取材したうんちくレポート。
目次
虫
爬蝶類と両生類
軟体動物・腔腸動物
魚
鳥
哺乳類
灰
奇料理・珍料理
奇酒・珍酒
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
369
本書には文化相対主義が貫かれている。ある種の食文化が別の文化圏では奇食に見えることを踏まえて述べているのである。しかし、この分野ではやはり中国が他を圧するだろう。しかも、凄いと思うのは単体としての食材ではなくて、組み合わせとしてのそれである。例えばフナの魚唇と熊の掌の煮込みであるとか、豚の胃袋と貝柱にアヒルの舌を煮込んだ料理とか。キビャックや子ネズミの活け造りなどそうとうにグロテスクな料理も登場するが、それもまた文化の中に位置づけられているのである。そうした本書のスタンスには好感が持てる。2019/05/24
kinkin
78
再読。発酵食品の権威でもある小泉先生の食、その中でも世間一般にはゲテ物といわれる物も紹介されている。虫や両生類、爬虫類他哺乳類含めて世界の奇食珍食。テレビを見ていると自称グルメのタレントや先生が多いが、グルメであればこそこうした奇食珍食を制覇してはじめてグルメといえるのではないか。2019/10/22
yamatoshiuruhashi
23
小泉武夫氏による食い物エッセイ。まあ、呆れるほどなんでも色々食べた経験をお持ちの人である。内容は一度は読んだことがある話ばかり。どうも一度買ったことがある本を、ネットの「おすすめ」で買ってしまったようだ。面白いから、まっいいか。息子に本書はやろう。読んでいると腹が減る。出張中のホテルでジャンクフードに手が出てしまいそうだった。2017/04/28
Tomomi Yazaki
19
今でこそ寿司は世界中で食されていますが、昔は海外では生の魚なんてゲテモノ扱いでした。でも本書に出てくる料理はそれどころではない珍品奇品がズラ~リ。昆虫などの奇食から灰まで食べ、ありとあらゆる数多の食材を紹介。発酵食に関しては第一人者の名に恥じぬ知識でこれでもかというくらい詳しく解説する。でもやはり、珍食に限らず日本食の、素材を活かし手間ひまをかけた繊細な味は、世界の料理の中でも群を抜いている。これほど多くの珍料理を詳しく綴っている本も珍しいです。200頁しかないのに、読了まで一週間もかかってしまいました。2024/03/11
さいちゃん
17
図書本。テレビの罰ゲームでしか見たことないような、様々な虫や哺乳類などなどの料理が出てきました。食感や味を想像しながら読んでましたが、なんとも口の中がウゥグゥ~~っと・・・。「食」は奥が深いですね。びっくりしたのが、猫も食べるということ。以前どこかで、猫は肉の中にも毛があるから、食べれないというのを聞いてたんですが、違ったようです。世界には、いろんな物を食材として食べてるんですね。ちなみに、私の実家では「ナマコ」は食べてます。2014/10/12