内容説明
昭和三九年春、立教大学は隊員五人から成る遠征隊をヒマラヤに派遣した。当時、山岳部長を務めていた縁で隊長となった、山の素人を自認するドイツ文学者が、自らの立場への戸惑いを交えつつ、山と山に生きる人々への素直な感情をつづった、異色の登山紀行。
目次
1 カトマンズ
2 ダラン・バザール
3 アルン渓谷のキャラバン
4 バルンツェ攻撃
5 シェルパ村滞在記
6 カトマンズへ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっと
8
いま見返しても大して興奮したようなレビューは書いていないけれど、なぜか記憶に残っていた、集英社文庫『時刻表地図から消えた町』の著者の紀行文ということで。それにしてもこういう地味(滋味)な作品を文庫化することでは中公文庫がいちばんではないだろうか。時代の流れかいまでは、背表紙は著者別で色分けされるようになってしまったけれど、あのベージュっぽいので統一されていたときのほうが、意外性のある作品が見つかったりして宝探し感があって良かった気がする…2020/01/13
デンプシー
1
読んで爽やかな懐かしさを感じる本。昭和39年の立教大の登山隊長でドイツ文学者の筆者が80人のシェルパやポーターや様々な個性の現地人と関わりながらヒマラヤへの道で観察するエピソードが楽しい。2015/03/22
yamakujira
1
昭和39年、ペタンツェに登頂した立教大学隊の隊長がつづる紀行。登山家からすると、大した登頂記録ではないだろうけど、この隊長も登山家じゃないらしいけど、だからこそ、変に力んだ文章ではなくて好ましい。登頂が目的でも、そのアプローチも楽しまなきゃね。 (★★★★☆)