内容説明
大衆文学はどうして面白いのか。中世のロマンスから近代の探偵小説に至るまでの流れを理論的、歴史的に位置づけながら、『鉄仮面』『倫敦塔』等の傑作の遺跡や名所の見聞にユーゴー、デュマといった文豪のエピソードを交え、大衆文学の魅力を余すところなく伝える、脚で書いた大衆文学研究書。巻末に「木村毅著書目録」掲載。
目次
大衆文学と純文学の境界
大衆文学発達史
欧州現代の大衆文学
大衆文学と中世ロマンス
歴史小説の誕生
ユトーピア物語と科学小説
探偵小説の総展望
『レ・ミゼラブル』の研究
『モンテ・クリスト』の研究
『黒チュリップ』の研究
『鉄仮面』と『倫敦塔』の考証
「ロンドン塔」見聞録
「テュッソオ夫人博物館」に関するノート
『クォ・ヴァディス』解説
ユーモア小説の典型『跳蛙』
私の折衝した欧州の大衆作家
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rbyawa
2
j061、春秋社という小さな出版社に属し、新潮や改造などの仕事もしている編集者さんの大衆文学の本。それこそ立ち上げ前の「新講談」から語っているもののどちらかというと西洋に比重が大きいかな、まあ、まだ発展途上の時代に書かれたと見たほうが無難か。ポピラリティがあると低俗と見る向きに対しての苦言も垣間見えるものの、作家さんではないのでそこはドライ。実際の大衆文学の中には宗教小説が含まれるものだしなぁ、通俗小説とはまた違うものだよなぁ…。まあ通俗小説もリアルタイムの方は出てますが嫌な思いは一度もしたことないか…。2019/06/01
-
- 和書
- 楊梅園歌文集