内容説明
19世紀後半、アラビアの中央高原やナフード砂漠を横断・探検したパルグレーヴ。「旅行記文学中の古典として、今もしたたるような新鮮さを保っている」と著者自身、青春時代、胸躍らせて読みふけった冒険記を回想する。半世紀のあいだ、想を練り、ついに実現したパルグレーヴのアラビア旅行記の自由訳。
目次
第1章 砂漠とその住民―マアーンからジョーフへ
第2章 豊饒の谷間―ジョーフ
第3章 ナフードとジャバル・シャンマル―ハーイルとタラール
第4章 ハーイルでの生活
第5章 ハーイル宮廷での出来ごと―味方と敵と
第6章 ハーイルからブライダへ
第7章 ブライダにて―アラブ人とペルシア人
第8章 ブライダからリアードへ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
7
「ムサイリマの歴史はよく知られている。マホメットと同じころに生れ、彼の同時代人がヒジャーズ地方においてすでに預言者と称していたころ、彼もまたネジドにおいて…神の真正な使者と認められていた…ムサイリマは、あらゆる雄弁と風刺の手段を用いて、マホメットとその書とを…奇怪なものに見えるようにこきおろし、それに十分に成功した。…ムサイリマの教義は、わたくしたちが社会主義的傾向と呼ぶべきものを持っていたらしく…文明と進歩とに終局的にはもっと好都合のものであったらしいが…外観的な道徳性を示す点において劣っていた。」2021/04/18