内容説明
本書は1871年9月、ニューギニア島北東海岸に上陸して長期間滞在した若きロシア人学術探検家のフィールド日誌である。急ごしらえの小屋での不自由な生活に耐えマラリアと戦いながらも、言葉が通じず猜疑心の強い原住民の信頼を次第に得てゆく経緯を克明な筆致で記す。著者自身によるスケッチ37点。
目次
ニューギニア・マクライ・コースト滞在記
マクライ・コースト滞在記
マクライ・コーストへの旅
感想・レビュー
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ワッピー
30
久々のニューギニア本。19世紀ロシアの人類学者マクライの3回にわたる滞在記。軍艦を知らない地元民の中に入り、村の外に家を建てて暮らし始める冒頭から、交易品の赤い布や鉄釘など文明の産物の助けによって、次第に関係性が固まり、村を訪れても歓迎され、後には時をおいて訪れても語り継がれるような関係性を構築するまでの苦労と病苦の記録でもある。船を下りて一緒に滞在する従者たちの体調不良、自分自身もしょっちゅう倒れつつも、雨漏り激しい小屋の中で記録や標本を守り、物見高い地元民たちと向かい合う日々。従者のひとり ⇒2023/09/17