中公文庫<br> あじさい前線

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中公文庫
あじさい前線

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  • サイズ 文庫判/ページ数 237p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784122019010
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

内容説明

離婚直後に、ふと思い出した古いあじさいの絵。あの花の絵を贈った男たち、私の青春を通過していった8人の男たち…雨の長崎から角館へ、あじさいの開花を追いかけるように、朝子の旅が始まる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

90ac

41
この作品は連城さんお得意のドンデンガエシのあるミステリーではない。その意味ではちょっと物足りない。長崎から秋田までの旅物語のような作品で、それぞれの町の情景描写はアジサイの淡い色と重なって大変美しい。内容は学生時代から付き合った男達を訪ね歩くのだが、8人もよくまあ付き合ったものだと感心する。それもみんな個性の違う男達。一人だけ名前が書かれていない男がいて、雰囲気として一番ぐうたらな男でいらいらするのだけどこんな男と付き合ったヒロインの気が知れない。2017/04/07

KAZOO

34
連城さん独特の話の持って行き方で結構楽しめます。離婚した女性が、むかしかかわりのあった男性8人に会いに行きます。長崎から始まり、酒田まであじさいの開花を追いかけるような感じでミステリアスにつづられています。このような小説にありがちなあまりねちねちしない感じが連城さん特有の書き方なのでしょう。8人の男性と女性には実際のモデルがいるそうですが。2015/03/25

bluemint

6
なんとも気持ちの悪い感じだった。連城三紀彦は私の好きな作家ではあるが、こんなものを書いていたとは。離婚したばかりの40近くの主人公が、過去に付き合った8人の男たちに手紙を出し、長崎を始めに日本を縦断して訪ねて歩くという自己アイデンティティ確認の物語。遠い過去に終わった男たちを訪ねるというのも、どういう神経かわからない。別れて十数年経てば皆それぞれの生活を持っている。そこに自分の都合で波風を立てるのか。ま、車窓からの景色が変わる様に、それぞれの人生と過去との交点を見せてくれる面白さもあった。2021/09/19

青沼ガラシャ

3
離婚した女性が昔関わりのあった8人の男たちと再会しに日本を北上する旅に出る、という話。中編の恋愛小説で内容は全く期待していなかったが、正味200ページで意外とテンポが良くカラっとしており、各エピソードに連城ならではの小技が効いていて結構楽しく読めた。次から次へと登場するダメ男や、時折出てくるクサい台詞や手紙に発狂せずに見事耐え切れれば大丈夫かと…2023/11/02

Jimmy

3
8人の男たちに会いに行く、という筋書きだけでこれだけひねくったプロットを書ける、ってのがまさに連城さん。しかし、どうやって8人持たせるのか、と心配してましたが、もちろん杞憂です。ここまでどんでん、というか騙しがくりひろげられるとは。実は初期だったんですね。2019/03/14

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