中公文庫<br> 西から東にかけて―平山郁夫画文集

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中公文庫
西から東にかけて―平山郁夫画文集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 176p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784122018570
  • NDC分類 721.9
  • Cコード C1171

内容説明

ヨーロッパから中東、インド、東南アジア、中国、そして日本へ。東西文化交流やシルクロードを取材して世界中を歴訪してきた日本画の第1人者が、各地の印象や旅の思い出を、風景、遺跡などの多彩な素描とともにつづる、雅趣あふれる画文集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ🍀

187
遺跡。時代を超えて語り継がれる形あるもの。実に神秘的な景観である。その偉大さに人々は自らをどう見つめていたのだろう。文明は生まれてはやがて衰退の時を迎える。歴史の教えは私たちの胸に響いてくるのである。天と地の間に裂け目が生じ、赤い太陽が燦然と輝く。空を朱に染める頃、岸辺からはオレンジ色の月がゆらゆらと浮かぶ。自然の壮大さに旅の疲れさえ忘れてしまっていた。唖然と立ち尽くすしかないのである。行けども行けども山なみは近づかず、去りもしないのである。人間はいつ美に目覚めたのだろうか。なぜ美に魅せられたのだろうか。2023/01/11

こきよ

32
平山郁夫氏が、ユーラシア大陸各地を歩き、綴られたエッセイと、土地々の風景を画にした画文集。氏がイギリスやオランダといった比較的渡航の容易な地に限らず、中近東や東南アジア諸地域など、情勢を鑑みるに渡航困難であろう地域をも綿密に歩かれており、東西文化の融合を多いに感じることができる一冊ですね。荒涼とした砂漠や遺跡を、淡い色彩ではあるが、力強い筆致で表現されており、とても好きな画集です。2014/06/04

ばんだねいっぺい

26
きれいな絵が並び、こころ洗われる。 美とはなにか。のんびりと旅をしてスケッチをして表現する時間の豊かさそのものが絵として現出するようだ。2023/12/29

かもめ通信

23
某オフ会の本の交換企画で狙ったように私の手元に飛び込んできたこの本は、旅好きの私の旅情を誘う文画集。日本画家平山郁夫が1980年代、 日経新聞に連載した“明日への展望”と銘打ったエッセイと、後にその文章に添えるべく1枚ずつ描いたという装画が収録されている。イギリスを皮切りにオランダやフランス、イタリアをめぐり、やがて東西文明が交差するトルコへ。シリアやヨルダンにも足を伸ばす。ページをめくる毎に無性に旅に出たくなる罪な本だった。2016/11/03

June

13
平山郁夫画伯の画文集。文庫版。シルクロードの諸国を訪れた際の折々の感想を綴ったもの。それぞれに装画が添えられている。その数40。「中東を描く」の項、「日本との差、ヨーロッパとも異なる特性に違和感を覚えたものだ。しかし砂漠地帯といえども、多くの人たちが日々の暮らしを営んでいるのであり、厳しい自然も時には優しい表情を見せることがある。何度か訪れるうちに以前の違和感は消えていき、描く対象にも困らなくなった。(一部略)」このような感覚は私が一生実感することはないんだろうなと思った。2014/06/18

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