内容説明
天皇親政にあくまでも固執した波瀾の生涯をおくった後醍醐天皇、北条政権を倒し主導権を握ろうともくろむ足利尊氏、更に楠木正成・護良親王…。それぞれの思惑を胸にくり広げた変革と動乱の跡を辿る。従来の南北朝史に新たな視点を加える歴史紀行。
目次
序章 南国のドゥオモにて
異例なる王者登場す
正成をさがす
秘境十津川
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫
5
1990年刊行。戦前戦中派の歴史作家による『太平記』考証といいますか、「書かれざる太平記」の考察本であります。ローマ教皇グレゴリウス7世と後醍醐天皇の類似性を話のマクラにして、軽妙な筆致で展開される『太平記』論はリーダビリティ抜群で、水が流れるようにさくさく読み進められるのでかえって内容が頭に残らないくらい(苦笑)。笠置山の描写と実景の隔絶ぶりなど、『太平記』の誇張や曖昧さにメスを入れる考察は切れ味鋭いものの、やっぱり『太平記』の記事をテキストにして論じたものですから、さて、信憑性の方は??? 星5つ。2021/01/27
たかっち
0
さすが永井先生。2010/05/26
くまお
0
★★★★☆2022/02/02