内容説明
世紀末ヨーロッパ随一の美貌を謳われ、世の讃美を一身に集めたオーストリア皇后エリザベト。だが、マイヤーリンクでの皇太子の情死、幼な馴染みのバイエルン王ルートヴィヒ二世の狂死、妹ゾフィの焼死と相次ぐ悲劇に、皇后は旅と乗馬への異様な執着で現実からの逃避をはかる。時代に先んじた自意識ゆえに宮廷生活を厭い、彷徨の果てに自らも異郷の地で凶刄に倒れた美しき皇妃の波爛の生涯。
目次
野性の王女
囚われの鳥
嘲られた皇妃
穏やかな和合
ハンガリア王妃
女性君主
騎乗の王妃
鷲とかもめ
傷ついた皇妃
さまよえる皇妃
忘れえぬ人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那由多
14
ルートヴィッヒ二世繋がりで、興味を持ったプリンセス・シシー。演じた女優さんも美しい方でした。オーストリアで大きな肖像画の前で、同じポーズで記念撮影をしたちょっと恥ずかしい思い出があります。もっと幸せになれるはずなのに、ダイエットと旅行に執念を燃やし、身の回りに死が多く、自身も不幸な死を迎えた悲劇の皇妃でした。
ウッシー
0
エリザベートはどんだけ綺麗だったんだろうな? シシもフランツも寂しい人生だったんだろうな。 今まで知ってたエリザベートの事をより深く分かった気がする。 一路さんが演じてたシシが一番綺麗で好きだったなぁ… トートは出てきませんでした(笑)2015/07/11
まいご
0
嫁姑戦争、窮屈な宮廷からの逃避、旅行三昧、無茶なダイエット、子供たちの死、そして暗殺。確かに波瀾な生涯だが、小説ではないのに悲劇調に飾り立てる文体がうっとうしい。心を病んだ拒食症の人間がそれほど美しくあれるのか。皇帝は"人形"のように便利な夫すぎる。結果、やんごとなき身分の人にしてはリベラルだったのね、程度の感想しか持てずなにか勿体無い気がする。ヨーロッパの再編期という歴史背景がなければ最後まで読めなかった。2012/08/04