内容説明
太平洋戦争末期の昭和19年9月、東京から富山の漁村に縁故疎開してきた小学5年生の主人公杉村潔。潔に屈折した友情を示す土地っ子のリーダー竹下進。疎開児をめぐる土地の少年たちの激しい愛憎を、戦争の影にゆれる海辺の村を背景に描き、少年期の鬱屈と憧憬を重厚に映し出す、自伝的長篇。映画「少年時代」原作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
138
この長い道は様々なメディアになっていて私は原作をかなり昔に読んだのですが、原作がどのような感じかを再読して確かめました。少年時代の都会の子供と田舎の子供の友情が描かれています。私はすぐ井上陽水の「少年時代」や映画を思い出してしまいます。また藤子不二雄の漫画も思い出します。懐かしい限りです。このような本がもっと読まれてもいいと感じるのですが(例えば夏休みの課題本)。2016/09/01
chiru
62
長い道が学校の行き来を指してたとわかると、悲しい時長く感じたり、好きな子と一緒に帰る道が短かったことを思い出しました。 少年たちの力関係が反転したあとの、進の毅然とした態度や最後の手紙は、進が魅力的な存在だから、この物語に強く惹かれるんだと思う。 潔の経験はわたしの父の疎開経験と同じで都会組へのいじめは日常的。 でもいじめより辛いのが食べ物を取り上げられることだったそうで、この本にそのエピソードがでてきて、懐かしくなりました。(都会組はへび鍋で飢えを凌いだそうです) ★5 2018/03/12
はる
60
太平洋戦争末期、富山の漁村に疎開してきた潔は、地元の小学校のリーダー、進と仲良しに。二人きりだと優しい進だが、学校では徹底的に潔に冷酷な仕打ちをする…。屈折した進の想いは果たして…。戦争の気配が漂う中、子供たちの繰り広げる覇権争いは単純だがとても残酷。今の優しい時代の子供たちはどう感じるだろうか。時代の空気感を濃厚に描き切った筆は秀逸。2018/05/06
たか
58
区切りの1000冊目はお気に入りの本。井上陽水の主題歌で有名な映画『少年時代』の原作本です。このストーリーに始めて出会ったのは、原作小説でも映画でもなく、藤子不二雄Aが描く漫画でした。太平洋戦争末期に、東京から富山に縁故疎開してきた少年と土地の少年たちの激しい愛憎を、戦争の影にゆれる海辺の村を背景に描いた作品です。 暗くて陰惨な表現も多いですが、何故だか強烈に惹かれるものがある。映画ほど知られていないので、是非多くの人に読んでほしい。A評価2018/02/28
活字の旅遊人
29
疎開っ子の田舎暮らし・いじめ体験。舞台は富山。藤子不二雄A『少年時代』の原作。なぜこのように魅かれる要素が多い本書をこれまで読まなかったのか、不思議でならない。主人公・潔の視点で進行するが、これは進や松など他の登場人物の視点でも是非描いてほしいと思える。そうすると、いじめリーダーの気持ちも分かるかも?まあ、ケーキが切れない連中なのかな、やっぱり。女子のいじめ構造は、わざわざいじめ本にしなくても、いろんなところに書いてあるのでしょうかね。解説の柏原光太郎氏、著者のご子息だが、日本ガストロノミー協会会長か!2021/03/24




