内容説明
義兄の暗殺、神風連の変、西南の役、台湾総督時代など、日露戦争を勝利に導き、海軍の東郷と並び称された満州軍総参謀長の55年の生涯を、政界の黒幕といわれた親友が思いこめて記す。
目次
鳳児出産の報、詩会の莚を賑わす
百合若と命名してその前途を祝す
誕生の祝宴に志士国事を激論す
佐幕党、半九郎を陥れんと謀る
浅見氏を養うて一家の断絶を免かる
二青年相謀りて富山を刺さんとす
富士源二郎わずかに身をもって免かる
親類寄合に托して巌之丞を暗殺す
瑞巌の故事を説いて蕃根、鍵を励ます
新知を排領して名を源太郎と改む
奥州征伐を了えて仏式練習生となる
脱隊鎮蕉を兼ねて郷里に母を省る
佐賀の乱に奮闘してついに重傷を負う
熊本に転職して神風連の変に遭う
暴徒官邸を襲うてついに種田少将を斬る
髪を刺り装を変じて討伐のことに従う
仁尾大属と謀りて善後の策を講ず
西郷謀反の報到り熊本籠城に決す
猛火を冒して危く弾薬函を搬出せしむ
俊髦を挙げて検疫の事実を大成す
台湾統治のために後藤を重用す
処士蕃界に入りて柯頭目を招降す
敗残の勇将総督の仁慈に感泣す
台湾神社を奉祀し明治橋を架設す
台湾名物禿八百屋の命名親となる
古亭庄に野裁の耕作を奨励する〔ほか〕