内容説明
世界史の中でヨーロッパが占める地位は、近年ますます低下の様相を示している。しかし西欧思想の基盤をなす近代知とは、そのように微力なものだろうか。西欧独自の紋章学、占星術、古銭学などを探索することで、ヨーロッパの歴史・社会・文化に通底する西洋的知の原形質をつきとめ、時代の風化に耐えぬく堅固で重層的な西洋的近代知の存続を確認する。西洋学の愉悦を発見する書。
目次
占星術―存在の連鎖の解明
光学―神は光であった
紋章学―個と群の標識術
系譜学―始源と継承の神話学
古銭学―魔性の歴史
古文書学―近代の学知か
カノン法―教会には法がある
官房学―統治の学の鉱脈
分類学―分割して統治せよ
修辞学―表現と説得の術
言語学―ヨーロッパの言語伝統
図像学―造型の規約
美味学―味覚の思想
心理学―プシュケーの遍歴
詩学―真に人間的たるために