中公文庫<br> 二条院ノ讃岐

  • ポイントキャンペーン

中公文庫
二条院ノ讃岐

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 237p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122012691
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっちゃんondrums

26
王朝ものと思い読み始めたが、保元・平治の乱の少し前から鎌倉幕府三代将軍の頃までの歴史もの。二条院ノ讃岐のことを四人の女性にインタビューした形で進む。讃岐の実父で摂津源氏の頭領である源頼政の一代記も浮かび上がる。肉欲と政治が絡んで、男女が入り乱れ、院や帝は女に対してやりたい放題。たぶん、民のことなど頭になかったろうね。貴族も武士も然り。杉本さんの書き方のせいかな。女性の視点で語られる歴史が面白かった。2018/11/11

Melody_Nelson

5
二条院ノ讃岐についての言及は思ったよりも少なく、主に彼女の生きた時代、保元・平治の乱や源平合戦の初期などの様子を、4人の目を通した切り口で綴る、というもの。平安末期、院政が始まった頃から皇室の権力構造が無茶苦茶になり、藤原氏がやや落ち目?になると共に、武士が台頭、というわけで、普通の時代物として楽しめる一冊。 讃岐については謎に包まれているけれど、最後に「こんな女性だったのか!」と意外な展開に感じた。でも、「こういう人いそうだよなぁ」と思わせるのは、書き手が女性だからかな。2015/11/09

エドワード

5
二条院讃岐は百人一首にも入っている歌の名手だ。父は源三位頼政。宮中に上がり二条天皇の寵愛を受けた彼女の人生を通して、白河院から始まる院政期を女性の視点から描いている。ちょうど大河ドラマ「平清盛」と時代が重なり、待賢門院璋子、美福門院得子の確執、保元・平治の乱の経緯がつぶさに語られ、非常に興味深い。乱世において女性が生きるのは至難のこと、讃岐も最後は遊女に身を落とすが、それでも生き続ける。平家の女性達が壇ノ浦に沈んだことを思えば、どちらが幸せだったか、その身ひとつの想いであろうか。2012/03/07

lyre

4
題名の人物について彼女に関わった女性たちが語る形式なのだが、題から想像するより讃岐の描写は少ない。兄に恋をし、一族を戦へと導き、遊女に身を落とした讃岐という人物の不気味さは感じるものの、彼女がどういう人物なのかはいまいちよく分からなかった。それよりも語り手自身(またはその周辺の人達)の人生の方が面白く感じた。彼女達を通して平安時代の終焉期を動かした人々を物語った作品という感じがする。一番興味深かったのは、紀伊ノ二位朝子だ。何だかふてぶてしいのだが、憎めない感じがして可愛い。2009/06/17

竹香庵

3
最も好きな作家杉本苑子に久しぶりに帰ってきた。究極の一冊は『散華』と思い、七・八回は読んでいると思う。しかし表紙のおどろおどろしい感じなのか、二条院ノ讃岐と言われても今一つピンと来ない感じなのか、古本を入手してはおいたもののほったらかしのままだった。コロナ世代の令和の民は暇を持て余し“自分磨き”で読書する。すると自宅の本を読み尽くす。で未読を探す。読んで驚いた。先日読んだ『西行花伝』と瓜二つ。見事な構成。辻邦生天才と思っていた。あの手この手で時代を錬り回しああも言えるこうも言えると読ませる杉本節はさすが。2020/05/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/504564
  • ご注意事項

最近チェックした商品