感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぼっせぃー
2
時代としては吉原などの本土の遊郭とも重なるのだろうが、どうも生活の様子やそこで生きる人々の心持ちというのが随分異なっており、不思議なことに、この郭という場所でこそ、より儒教の影響が強まっていたことが伺い知れる。辻遊郭の歳時記としての本書は非常に生き生きとした描写が魅力的で、特に食べ物については言葉を尽くしても書き足りないといった様子でほほえましいが、記されている食文化のどれほどが現在の沖縄に残されているのだろうかと気にかかる。しかし、ガマでの様子を記した最後の2ページはすべてを覆すように凄絶という他ない。2022/09/22
Tamaki
1
戦前まで存在した辻遊郭。そこでジュリとして過ごした上原栄子さんの自伝とも言える著書。ジュリとは単なる娼婦ではなく、芸や料理も達者で客をもてなす為にすべてを尽くしていた。客の冠婚葬祭の際は自宅へ手伝いに出かけるなど妻公認の存在であったこともあるから驚きだ。役人や経済界との繋がりも深く当時の沖縄社会に根付いている存在でもあった。 幼い頃に親に売られ、不遇な境遇ながらもお互い互い助け合いながらたくましく生きるジュリたちに感銘を受けた。2020/06/09
のんしおーね
1
辻、尾類、尾類馬行列などについて、うっすらとしか知らなかったが、その実情がよくわかった。解説にある、形式的には日本の女郎と芸者との中間的性格、接待のプロフェッショナルという説明が理解しやすい。遊郭なのに子供が生まれると喜んで育てていたというのには驚いた。2014/01/20
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- 和書
- それから失語症
