感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kaoru
73
冷戦下、アメリカの有人宇宙計画のため陸海空軍のエース・パイロットから選ばれた「マーキュリー7」の奮闘と苦悩と栄光を描く傍ら音速の壁に挑んだ伝説的なチャック・イェーガーを追うノンフィクション。パイロットの「正しい資質」を備えた男達とそれを支える妻達の記録でもある。国民の熱狂のなか国家に利用され名声を得る7名(日本ではジョン・グレンが有名)とモハーヴェ砂漠で黙々と飛行を続けるイェーガーの対比が鮮やか。ベトナム戦争に本格的に介入する前のアメリカの純粋さを感じる。複雑な原作を見事にまとめた映画も素晴らしかった。2025/02/26
鐵太郎
17
「ザ・ライト・スタッフ」という言葉は、流行語になりましたよね。今はそんなに流行らないかな。その元になったのがこの本。空と宇宙を開拓した男たち、チャック・イェーガーとフレンドシップ・セブン、7人の宇宙飛行士。彼らは命がけで空を飛び、その職について問われるとぼそっと言う。 「人にはすすめられないがね、しかし、やってできないことはないな」 ──この本は、そんな、正しい資質(ライト・スタッフ)を持った男たちの物語です。2009/05/15
本の蟲
15
夏と言えばロケットの夏。マーキュリー計画に参加した宇宙飛行士を描いたドキュメンタリ小説。今でこそエリートの代名詞だが、当初猿でもできる(実際、試験飛行はチンパンジー)宇宙飛行士の実態と選抜された軍パイロットたち。今まで彼らがいたヒエラルキーと競争社会。それが生んだ強烈なエリート意識「正しい資質」への信仰。操縦士としてのプライドと技術者との対立。弾道飛行で、事実上宇宙を飛んでいたのにも関わらず、全く知られていない超音速戦闘機のテストパイロットたちと、民衆に熱狂された「最初の7人」との対比と皮肉が多い(続2025/08/03
樽
6
大仰で皮肉な表現で畳み掛けられて、勢いに任せて読んだけど、作家が違う人なら半分の量で済んだかもしれない。けど、この時代のこのときの高揚感は、この文章だからこそ感じ取れるのかも。面白かった。2024/02/04
キラリン子
6
チャック・イェーガーの魅力は7人の宇宙飛行士よりも、際立つ。イェーガーの存在はちっとも前時代的なんかじゃない、むしろかっこいい。2011/02/22
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- 和書
- 明日香を守る強将太子