感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
7
文春文庫の新装版第4刷(2010年10月刊)。奥付以降の文春文庫新刊案内の頁以外、ほぼ全て正字正仮名遣ひといふ特異な本。国語審議会の現代仮名遣ひ採用方針に反対し、その不合理性を述べる部分と、正仮名遣ひ表記法の解説部分からなる。著者は劇作家で保守の論客で、国語学者時枝誠記の門下生でもある。学術書さながらの極めて厳密な、国語史を踏まへた表記法の解説が本書で展開されるのはこの故である。政策として日本語教育の上での表記を正字正仮名遣ひに戻すのは最早不可能だが、そのルールと理屈を知りたい者の虎の巻のやうな本だ。2024/02/12
RINA
1
さらっと読んでしまったから、今度はじっくり噛み締めて読もう。現代仮名遣いに慣れているから、今までは古書で歴史的仮名遣いを見ると拒否反応を起こしていたが、見方がガラッと変わった。味がある(?)というか、風流というか、雅というか…。何というか、悠久の時間を歩んできた、どっしりとした人間の温かみというか…。上手い言葉が見つからないけれど、歴史的仮名遣い、好きだ。2011/06/18
ゆれる
0
「・・・もちろん、自分たちの國語に無關心でゐることは、普通には健康であることの證據なのです。文學者の場合ですら、さうであります。何事によらず、自意識過剩は一種の狂氣でありますから。が、他に極端な自意識過剩が、一種の狂氣が存在するとすれば、どうするか。」2013/01/19