感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
61
日本と朝鮮がいかに深く関わってきたか、さらには日本という国家や文化伝統の成り立ちにいかに深く朝鮮の人々が関わってきたかを再認識すべきと本書を再度手にした。 本書は、京都で鄭貴文・鄭詔文兄弟が発行し続けている(た?)「日本のなかの朝鮮文化」(十八号〜二十五号)の座談会―「東北アジアの流動と日本文化」「王仁系氏族とその遺跡」、「秦氏とその遺跡」、「紀氏とその遺跡」、「漢氏とその遺跡」、「山上憶良と『万葉集』」、「行基とその遺跡」、「能登と朝鮮遺跡」、「対馬と朝鮮遺跡」の各章からなる。 2020/05/11
レアル
52
座談会。「~氏とその遺跡」からは何と言っても二大氏族の秦氏と漢氏。「山上憶良と『万葉集』」からは男女の恋愛を万葉集では詠まれてる事が多い中、仏教愛を挙げる憶良と渡来人説を挙げているその内容が面白い。そして大阪で生まれ大和で活躍する事になる行基を描いた「行基とその遺跡」では業績からではなく人間像から描き出す事により、行基が如何にして社会事業に関わる僧になったのかがよく分かる。なるほど大和には行基建立の寺院が少ない訳だ。2018/06/27
さつき
48
昭和50年刊。各テーマごとの座談会が収録されています。端々で、さすがに時代を感じました。『渡来人』と『帰化人』で論争があったとは知らず。小中学校の教科書では普通に渡来人と載っていたような。この先生方の研究活動の成果を私は学んできたんだなぁと…山上憶良も渡来人という説があるとは知りませんでした。田辺聖子さんの発言で憶良という人が鮮やかに浮かび上がって見えました。行基開基とされているお寺は近所にもあるので興味深く読みました。話しの流れで受講したことのある先生のお名前が出た時は懐かしく感じました。2017/06/07
やいっち
20
かなり前の本だが、今もって読むに値する。日本という国が成り立つうえで、如何に大陸、特に朝鮮半島からの渡来人の恩恵と影響を受けてきたかを物語る。特に日本という国家の成立には、百済の滅亡と、百済からの渡来人の力が預かって大きかったかを感じる。2017/07/17