感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たろさ
15
[図書館本]三島由紀夫と親交のあったドナルド・キーン氏と著者が『豊饒の海』の最終場面である円照寺をスタートに倉敷、松江、津和野をまわる旅。キーン氏が語る三島由紀夫は彼の作品を数えるほどしか読んだことのない自分にもとても興味深かった。志賀直哉、森鴎外や歌舞伎など三島を起点に語り合う二人の話はいつまでも読んでいたくなる。自分は太宰治の作品は大好きだが三島の太宰嫌いは面白かった。2018/08/25
紫羊
11
読友さんのおかげで、この贅沢な旅行記の存在を知った。旅は「豊穣の海」に登場する尼寺のモデルになった奈良の円照寺から始まる。三島由紀夫の繊細で傷つきやすい一面に触れる部分もある。三島作品が好きな人は一読の価値あり。この作品は「三島由紀夫を巡る旅」と改題されて刊行されている。2019/03/18
Chihoish
1
三島の作品世界をめぐる旅。キーン先生のあげる日本美学の特色。「suggestion(暗示)」「irregurality(不均整)」「simplicity(簡浄)」「perishability(滅び)」。日本人は作品と作家を別の存在だと認めたくはないのでは?との指摘。徳岡氏の記「終わってしまった戦争を、安全な場所に立って振り返ったとき、私たちは欲しさえすればどんなシニカルなことでも言えるのである」もろもろ共感する。2019/12/11
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
1
キーンさんと、三島が最後の手紙と「檄」を託した毎日新聞の記者が語り合う三島の話。ほとんど初対面で三島ゆかりの奈良の寺へ行くことになった企画旅。親友の親友はまた親友、話がとまらず奈良だけのはずが倉敷、松江、津和野と五泊六日の旅行になった。三島と日本芸術に詳しい二人の話は楽しく、三島のひととなり太宰嫌いのその心など、三島がエッセイで語ること以上に腹落ちする話が多かった。やはり太宰は好きで嫌いで、やっぱり好きなんだろうなあ(笑)弱さを図々しく発揮できる太宰に「羨ましいじゃないか」と嫉妬していたのかも。2019/06/28
shintaro_kyoto
0
三島由紀夫と長年の親交があった友人二人による三島追憶の旅。2014/07/07