感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mstr_kk
8
チェーホフの『かもめ』を、冒頭から結末まで詳細に解釈していく、いわば紙上演出の本です。こんな書籍が商品として成立しえたということに、驚きをおぼえざるをえませんが、すばらしい本だと思います。もっといろいろな作品について、こういう本が出てくれればいいのに……。チェーホフの生涯や同時代の状況、研究史をふまえて、とても読みやすくまとめてくれています。目から鱗の箇所もたいへん多かったです。チェーホフ作品の深さを再認識しました。チェーホフと象徴主義との複雑なつながりが興味深かったです。2016/11/26
国重
0
とりあえず通読。場面ごとに詳しい説明と解釈が付されており参考になる2016/02/06
zatugei
0
シーンごとに各人物のセリフや心理などを細かく論じていく。作者の他作品や境遇などを示しながらなので、説得力もある。「かもめ」の読解には必読書だと思う。ただし、上演するとしたら、音楽や物音なども入るし、演者のキャラクターの問題もあるから、まったく別の演じ方もあるように思う。2021/03/10