中公文庫<br> 倚松庵の夢

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中公文庫
倚松庵の夢

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  • サイズ 文庫判/ページ数 171p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122006928
  • NDC分類 910.268

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

井戸端アンジェリか

18
どうせ愛され自慢大会でしょ、と思っていたら、最期のお話に胸熱でした。“見るもの凡べて恋しい人の眼を通して見てきた私” なんて素敵な言い回し。さすが谷崎潤一郎の愛した女性だわ。でもね、自慢少なめだと逆に大自慢が読みたくなるから不思議。その点ではやや期待外れでござりました。がしかし、孫や嫁親の名前は頻繁に登場するのに、晩年の最大のライバル嫁千萬子の名前は一文字たりとも出さない所業にニヤニヤ笑いが止まりません。あっぱれ松子さん。2018/05/16

高橋光司

6
谷崎潤一郎の妻松子夫人による回想録。 名作細雪は松子夫人姉妹をモデルに書かれたことはよく知られた話しですが… 源氏物語の現代語訳に取り組んだ当時の「銀の盞」以外は亡くなってから三周忌までに書かれたもの。流石は大谷崎が愛した女性です。 思わず天晴れ!と言いたくなるほど、谷崎に対する深い想いが伝わってきます。2019/04/07

イブ

4
京都の本屋で見つけて購入。大学の講義で谷崎文学をやっているので、松子夫人が語る谷崎、に興味があった。読んでびっくりしたのは、文章の流麗さ。谷崎の随筆にそっくりで、引用部分と地の文の見分けがつかないこともあった。/特に好きなのは「湘碧山房夏あらし」。谷崎の最期をダイナミックに描いていて、とても迫力がある。/谷崎のプライベート上、重要な重子(松子夫人の妹)や千萬子(嫁)についての記述はほとんどない。松子夫人が書いたものは、「谷崎という大文豪の裏にいる『私』」だったのではないだろうか。2015/08/18

非実在の構想

2
妻の立場から見た谷崎の話。読みやすい美麗な文で驚く。さまざまな谷崎の一面が筆の進むまま記されている。そのなかでも死の床についてもそれを受け入れようとしないで抗う谷崎の話には、死の恐怖に戦慄した。松子夫人は、谷崎と古川丁未子や渡邉千萬子との関係を意図的に見ないことにして印象操作をしていると批判されがちであり、この本にもその態度が見て取れるが、それを抜いても谷崎を知る良い本であると思う。サルトルとの関係や石原裕次郎を好んでいたことなど意外な側面を知れたのは嬉しく思う。2016/02/11

yagian

0
週末の神戸旅行の際、芦屋市谷崎潤一郎記念館を訪れ、三番目の妻松子が潤一郎を回想する本書を購ふ。帰途の車中にて読了。大谷崎より「一生御寮人様に御仕へ申すことが出来ましたらたとひそのために身を亡ぼしてもそれが私には無上の幸せでございます。」と書かれた恋文を受け取る心境や如何。「戦くこと屡々であった」のは宜なるかな。倚松庵は閉館中にて訪問できず無念なれど(再訪せねばなるまい)、芦屋の風光を偲びつつ「細雪」を再読しやうと思ふ。2016/03/07

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