感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バーベナ
1
今まで手でやってきたからという理由で、買ったばかりの洗濯機を池に捨てられ、それが原因で流産をしたら・・・。壮絶な嫁イビリが描かれているが、決して戦いだけに終始しない。お金を稼ぎ(バレないように)へそくりをして、「石田縞」を地機で織ってみたいという淡い夢をしつこく追い続ける嫁は、どんどん賢く強かになっていく。人を頼りにするなんて思っていもいない自立心は、実業家の気配さえ感じる。石田縞、最後の織り手が話してくれる昔話には「姑が何故あれほどの人物になったのか」の答えがある。大波にのまれるように夢中になって読んだ2010/11/05