感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
31
世界史上でも有名なフランスの外務大臣タレイランの評伝。貴族ではあるが子供時代の扱いは悪く、父親と過ごす時間はほとんどなかったそうだ。若い時は素行が褒められたものではなく、ルイ16世からもあまり良く思われていないこともあってか大貴族出身だが司教昇進も順調ではなかったようだ。スタール夫人のお茶会を途中で抜けようとした友人をそっと諭したり、離婚した妻の娘の結婚式の邪魔にならないようにと亡命先から戻る途中のルートを考慮したりと人間関係に気を配るところから優しいというか調和を大事にする性格のように感じられました。2021/12/25
筑紫の國造
9
なかなか面白い評伝。フランス革命からナポレオンの帝政という激動期にあって、外交官として辣腕を奮ったタレイランの評伝。著者自らも外交官、政治家だけあって、人間の機微に通じた良質の評伝となっている。タレイランという人はナポレオンの外交官でありながらその覇権的な軍事力行使に反対で、時には危ない橋を渡りながらもヨーロッパの秩序を保とうとした。ただ、文章はわかりやすいが、当時のヨーロッパについて多少の知識を持ってから読んだ方がいいと思う。よくわからない部分もあった。2020/08/19
げっちゃん
0
2000.32002/01/01
彩也
0
「一般的にいって、民主的な政治が崩壊に帰する場合には、およそあらゆる階層、あらゆる政派の希望が一つに融け合って、ある強力な人物の出現を期待し、その人物に向かって、余計な政治家を一掃することを要望する気分が起こりがちなものである。そして、その当の人物に対してはいい加減な勢力に妥協、屈服することなく、できるだけ多数派の希望にそうような効率の高い政権を樹立し、それに従わない少数派には遠慮会釈もなく弾圧の雨を降らすことが要求されるのである」ちょっとメモ。ちなみに、ブリュメール18日の直前の記述。2012/04/06
うた
0
旧時代から2月革命を経てナポレオンの外務大臣へ。タレイランのなにがすごいって、保身をはかりながらフランスの利益になるようにも立ち回っていることがすごい。本としは古臭いんですが、面白いですよ。2010/12/08