感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
107
胸を打つ本当に素晴らしい劇。最後の場面では泣いてしまった。作者のことは全く知らなかった。ハンガリーの文学者。回転木馬の客引きリリオムが主人公の幻想的な劇だ。強盗に失敗してあの世に行ったリリアムは、許されてこの世に帰ってくる。そして自分の娘に会うのだが、不器用な彼は娘にうまく接すことができない。それでも、娘には彼の優しさが、しっかり伝わるのだ。ならず者で、この世に適応できなリリアムの不器用な生き方が、切なくて読み手に強い印象を残す。機会があったら、実際の舞台もぜひ見てみたいと思う。2017/06/25