感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
駄目男
13
現代作家に村松友視と言う人が居るが、その祖父が明治22年生まれの村松梢風となる。12話からなる短編集で、それぞれに違った女が登場、12人の女との出会いと別れが書かれている。意外なことに戦前の女はみな身持ちが固いと言っては大違い。中年になった梢風は20代の女性と、どういう訳か簡単に出会っては直ぐに懇ろな関係になる。別に脅したりすかしたりした訳でもなく、女の方にもその気があったようだ。余程モテた男と言うしかない。簡単に言えば女性遍歴の集大成だが、哀しいかな、女たちの別れがあっけなく、2021/12/21
猫丸
7
ぜんぜん知らない作家の小説を読んでみようかと。なになに?村松友視のお祖父様なんですか。いろいろな女と出会い、別れる。そんな話が12篇。こんな他愛のない話にも、女性に対する差別意識がどうとか無関係なクレームが入る時代である。文学に徳目を要求する人種の常套句は「読んでいて不快」だ。ああ神よ、この人は自分が何を言っているのかわからないのです。その言葉をそのままサドの作品に向けて置いてみれば滑稽さが露呈するのに…。スマン、あまり正しいことを言いたくはないのだが。2024/01/10