感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
11
近代国家の特色のひとつは政教の分離にあると言う。これは信仰の自由の原則に基づく当然の制度で、国家と宗教とは相互に干渉しないということである。キリスト教や仏教が、単にその教祖の属する民族の宗教であるにとどまらず、国境を越えて他の多くの国に伝わったのは、それが元々政治や国家と関係しなかったからであり、このように世界的に普及した宗教を世界宗教と言う。国境を越えて他の国に広がったという意味では、イスラム教は世界宗教なのだが、面白いことに、イスラム教は政教分離という点では正に反対で、政教一体だと言う。2015/08/26
Hiroshi
4
中央・西アジアをヨーロッパとアジアの接触・文化の交流も含めて見ていく本。中央アジアは乾燥地帯。砂漠と草原とオアシスからなる。オアシスで農耕が発達し、そこで家畜が専門化されて遊牧民が生まれた。オアシス社会は地縁的で階級的で、社会の安定を求め支配層は世襲制だ。遊牧民社会は血縁的で平等、固い団結と強い指導力が求められ指導者は選挙で選ばれる。遊牧民は自給自足ができず、定住民との交流が不可欠だ。馬は家畜としては遅れて飼われた。騎馬が発明されて遊牧民の政治的単位は拡大する。騎馬はアーリア系からアルタイ系に伝わった。2023/05/05
フェイ
0
遊牧民、オアシス、モンゴル、イスラムが織りなす草原の歴史といったところ。 中国やヨーロッパに比べて馴染みがない地域だが、その興亡はまさにユーラシア大陸そのものの歴史を物語っている。2014/02/11
びーちゃん
0
評価３2010/07/30
