感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
駄目男
15
この本を古本市で買った時は、殆どナメてかかっていたことを反省する。近年読んだ本の中ではずば抜けて難しかった。ビスマルクからワイマールを経て、ヒンデンブルク、ヒトラーへの道筋に於けるドイツ社会学で、著者はヒトラーより年上の同時代を生きた著名人のようだ。記録としてどのように難しかったか例題として挙げておきたい。「ヒトラー的人間性は、ゲーテ時代以来引き続き行われて来た人間内部の心的均衡の狂いとして捉えることもできる。一方では計算する知性が、他方では権力、富、安全等々に対する形而下的な要求が、2021/06/27
Ex libris 毒餃子
4
第一次世界大戦から第二次世界大戦後のドイツを歴史家の視線から描いた本。ヒトラーへの厳しい批判をビスマルク体制まで遡って分析している。出現するべくして出現した体制。2020/04/23
ナン
3
「ヒトラーは必然だったか」という疑問は、ナチス・ドイツに関心を持った多くの人が持つと思うが、著者としての答えを出している点が興味深かったし、自分も納得できる点が多かった。プロイセン以来の軍国主義、経済恐慌、大衆の台頭等の様々な背景はありながらも、ヒンデンブルクによる首相任命・ヒトラー個人の人格という偶発的(必然ではない)要素が大きいというのが著者の意見。特に当時の情勢を鑑みると、ヒンデンブルクによるヒトラー任命は避けられたのではという点は重要な指摘だと思った。2020/08/07
麺
3
1861年生まれの歴史家マイネッケによる、ナチス支配に対する批判と今後のドイツの展望を書いた本。タイトルの割に、そしてホロコーストを実行した国の人間が著したにしては、かなり楽天的な内容を書いてるという印象が強いが、マイネッケのかなり率直な所感だという雰囲気は伝わってきて(実際読みやすい)面白かった。2020/06/21
Kazuo
3
マイネッケ「支離滅裂になった時代は、支離滅裂な性格の一人の男を歴史の舞台に呼び出した」。2014年年末時点での、イスラム世界の歴史への再登場、中国の100年ぶりの再台頭、アングロ-英米のヘゲモニーの後退は、ワールドワイドでの、現在が支離滅裂であるか、歴史の推移かについての判断は別れる。しかし、現在の日本の政治経済が支離滅裂であることは、言を待たない。自民党 秦野章(法相)『文芸春秋』1983年12月号掲載「この程度の国民なら、この程度の政治ですよ。」それ以外に言いようがない。2014/11/29
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