内容説明
明治維新の成就は薩長両藩の力に負うところが大きかったが、朝廷の呼応なくしては実現しなかった。ことに下級公家ながら、混迷の朝廷に異才をもって頭角を現わし、姦物と称され、のちに鉄の意志の人と評価された岩倉具視の存在は絶対不可欠であった。「王政復古」を視座に据え、明治政府樹立後も朝廷の権威確立と維持につとめ、近代日本の方向決定に重大な役割を果たした巨人の行動の軌跡をたどり、その歴史的意義を検証する。
目次
1 政治への登場
2 公武合体
3 地下の政治運動
4 王政復古への途
終章(岩倉政治の終着駅;岩倉具視と華族の問題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんがく
10
著者はなんと大久保利通の孫。幕末維新期に活躍した公家、岩倉具視について記述。大久保や木戸などの薩長の志士と違い、あくまで公家の立場から王政復古を目指した岩倉のかんがえがよくわかる。また、公家としては低い立場から、隠居生活などを経て最終的には三条と並ぶ新政府のトップに躍り出た政治家・謀略家としての才能が凄い。2018/11/28
ジュンジュン
5
伝記として生涯を追いかけるには不十分。副題に「維新"前夜"の群像シリーズ」とあるように、王政復古の大号令までしか描かれていない。明治16年まで活躍したことを考えると、そこが欠けているのはやはり残念(終章で駆け足で扱っているが)。ただ、維新回天の公家側代表者としての足跡は分かりやすかった。2019/07/05
-
- 海外マガジン
- PREVENTION SPECIAL …
-
- 和書
- 基礎中国語会話