出版社内容情報
「豊かな社会」に蔓延する無気力――それは、生存への脅威やどうしようもなく襲いかかる苦痛から解放されただけでは、「効力感」、つまり意欲的に生き生きと環境に働きかける態度は生まれないことを物語る。本書は、心理学における研究実験成果をひろく紹介しつつ、自律性の感覚、他者との交流、熟達のもつ意義など、さまざまな角度から、効力感形成の条件を掘りさげる。さらに、社会や教育のあり方と効力感との関係を検討する。ロングセラーの版を改め、読みやすくした。
内容説明
「どうせダメだ」―現代社会に蔓延する無気力。衣食住が満たされた豊かな環境というだけでは、「効力感」、つまり意欲的に環境に働きかける態度は生まれない。本書は、心理学の研究成果を広く紹介し、自律性の感覚、他者との交流、熟達のもつ意義など、さまざまな角度から効力感を発達させる条件を掘りさげる。さらに子どもも大人も、やりがいを持って生きられる教育や社会のあり方についてヒントを示す。
目次
第1章 どんなときに無力感が生じるか
第2章 乳幼児の無力感・効力感
第3章 失敗にもとづく無力感
第4章 自律性の感覚
第5章 他者との暖かいやりとり
第6章 熟達と生きがい
第7章 効力感を育てるには
第8章 効力感を伸ばす学校教育
第9章 効力感の社会的条件
第10章 無力感・効力感の日米比較
著者等紹介
波多野誼余夫[ハタノギヨオ]
1935年生まれ。1958年、東京大学教育学部教育心理学科卒業。1964年、同大学院博士課程修了、慶應義塾大学教授などを務めた。専攻、発達心理学、認知科学。2006年逝去
稲垣佳世子[イナガキカヨコ]
1967年、お茶の水女子大学文教育学部教育学科卒業。1969年、同大学院修士課程修了。千葉大学教授を経て、千葉大学名誉教授。専攻、発達心理学、幼児教育学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
tolucky1962
読書熊
HANA
塩崎ツトム