内容説明
日本趣味豊かな季節の風物として、いまでは観光の対象となっている鵜飼は、神話や民間信仰とも絡んで、かつて全国各地の常民のあいだにひろく行なわれたユニークな習俗であり、重要な生産手段の一つであった。しかもその分布は、中国大陸から遠く東南アジアにまでおよび、稲作の伝来経路と符節を合わせる独得の“鵜飼ベルト”を形成している。民俗学・民族地理学等の手法を駆使して、失われた民俗の背景にせまる独創的な好著。
目次
序 失われた民俗
1 ウの鳥をめぐって
2 伝承のなかの鵜飼
3 鵜飼の日本史
4 長良川の鵜飼
5 忘れられた鵜飼
6 中国大陸の鵜飼
7 ヨーロッパの鵜飼
8 鵜飼の故郷を求めて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
2
☆中国と日本に見られるが、朝鮮、台湾にはない。孤立したものなので、一元説と二元説があるとのこと。 ☆おそらく、中国の稲作少数民族が日本に流れ着いたではないかと思うが。2017/03/19
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
0
☆×4.0…実に参考になりました。日本ばかりではなくほかの国にも鵜飼があったこと、特にヨーロッパに鵜飼があるとはおもいませんでした。それとうにつけている紐にも工夫があるとは…いろいろと知ることが出来ていい本でありました。2010/07/08
はすみ
0
本書の出版は昭和41年であり、新書という形態であるのになお、一読するに足るものであることが、本書の内容がいかに知的であるかということを示している。2022/06/30




