出版社内容情報
生涯に刊行した単行本一〇一冊に寄せた序文を年代順に初集成。全業績を一望のもとにするオリジナル作品集。『最新産業組合通解』から『海上の道』まで執筆意図と方法を綴った序文は自作解題であると同時に最良の柳田学入門である。全二巻。〈解説〉佐藤健二
内容説明
著作活動60年、著書101冊。『国語の将来』(昭和14年)から『海上の道』(昭和36年)まで。
目次
国語の将来(昭和一四年)
孤猿随筆(昭和一四年)
食物と心臓(昭和一五年)
民謡覚書(昭和一五年)
妹の力(昭和一五年)
伝説(昭和一五年)
野草雑記・野鳥雑記(昭和一五年)
豆の葉と太陽(昭和一六年)
こども風土記(昭和一七年)
菅江真澄(昭和一七年)〔ほか〕
著者等紹介
柳田國男[ヤナギタクニオ]
1875~1962。民俗学者。1875(明治8)年、兵庫県生まれ。井上通泰の弟。松岡映丘の兄。東京帝国大学卒業。農商務省に入省し、法制局参事官をへて貴族院書記官長を最後に官を辞し、雑誌「郷土研究」の刊行、民俗学研究所の開設などをすすめ、常民の生活史をテーマに柳田学とよばれる日本民俗学を創始。1949(昭和24)年学士院会員、同年日本民俗学会初代会長。1951(昭和26)年文化勲章。1962(昭和37)年、死去。87歳。代表作に『遠野物語』など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
8
60年弱に及ぶ著者の著作活動の後半が収められる本巻は『国語の将来』(1939)から『海上の道』(1961)までの自序が並ぶ。国民学術協会設立会員となる1939年頃から戦後にかけて国語や社会の教育に関する著述が出始め、戦中は国家の起源の多様性を仄めかす著述が散見される。官僚から民間人となるも戦後すぐ枢密院顧問官に就任する等、著者の国家との距離に振り幅はある。が、著者はその晩年にもなお近代国家や国民の抽象概念と個人の因果関係を強要する考えに対し、小さな物や生き物や子供から見た生活の具体的な相関関係を提示する。2025/03/02
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