出版社内容情報
生涯に刊行した単行本一〇一冊に寄せた序文を年代順に初集成。全業績を一望のもとにするオリジナル作品集。『最新産業組合通解』から『海上の道』まで執筆意図と方法を綴った序文は自作解題であると同時に最良の柳田学入門である。全二巻。〈解説〉佐藤健二
内容説明
全業績を一望する自著解題。『最新産業組合通解』(明治35年)から『居住習俗語彙』(昭和14年)まで。
目次
最新産業組合通解(明治三五年)
後狩詞記(明治四二年)
石神問答(明治四三年)
遠野物語(明治四三年)
時代ト農政(明治四三年)
山島民譚集(大正三年)
炉辺叢書(大正九年)
郷土誌論(大正一一年)
祭礼と世間(大正一一年)
炉辺叢書解題(大正一三年)〔ほか〕
著者等紹介
柳田國男[ヤナギタクニオ]
1875~1962。民俗学者。1875(明治8)年、兵庫県生まれ。井上通泰の弟。松岡映丘の兄。東京帝国大学卒業。農商務省に入省し、法制局参事官をへて貴族院書記官長を最後に官を辞し、雑誌「郷土研究」の刊行、民俗学研究所の開設などをすすめ、常民の生活史をテーマに柳田学とよばれる日本民俗学を創始。1949(昭和24)年学士院会員、同年日本民俗学会初代会長。1951(昭和26)年文化勲章。1962(昭和37)年、死去。87歳。代表作に『遠野物語』など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
101に及ぶ自著の自序を2巻に分けて時系列順(1902-1961)に収録する本書は、確かに「柳田学入門」と称する内容だ。本巻では農政官僚の傍ら著作した「最新産業組合通解」(1902)から民俗学の立ち上げ後戦前に調査した「居住習俗語彙」(1939)までを収録する。政策立案の傍ら書かれた論文調から職を辞した後の本格的調査の中での聞き書きへと文体が転換する時期だが、自序も自らの作品を鳥瞰する視点から、語り手の隣で聴取する耳に従う姿勢へと変わる自らの学の方法を仄めかし、読者の読む身体にもその姿勢を促すかに見える。2025/03/01