中公クラシックス
二十世紀を生きて―ある個人と政治の哲学

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  • サイズ B40判/ページ数 351p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121601575
  • NDC分類 310.4
  • Cコード C1231

出版社内容情報

戦後いち早く「ソ連封じ込め」を立案し、米外交の理論的支柱となったケナンの遺作。人類の未来と地球的利益との相克を問う。

内容説明

国益と地球的利益の一致?ソ連「封じ込め政策」の主唱者は、世界史に光彩を放ちながらわずか二年で舞台を去り、核問題をどうするべきかを生涯考え続けた。

目次

第1部(人間はひび割れた器;信仰;政治と政府;国民;イデオロギー)
第2部(平等主義と多様性;アメリカの規模;中毒;対外政策(非軍事;軍事)
何をすべきか?)

著者等紹介

ケナン,ジョージ・フロスト[ケナン,ジョージフロスト] [Kennan,George Frost]
1904~2005。アメリカの外交官、政治学者、歴史家。プリンストン高等研究所名誉教授。1940~50年代の外交政策立案者。プリンストン大学を卒業後の1925年に国務省入省。46年、赴任中の在モスクワのアメリカ大使館から、ソ連に幻想を持つな、この勢力といかに対抗するかがアメリカの最大の課題だとする長文電報を打ち、トルーマン政権に衝撃を与え、47年にはフォーリン・アフェアーズ誌に「X」という匿名で「ソ連の行動の源泉」を発表する

関元[セキハジメ]
翻訳家。元毎日新聞編集委員。1932年生まれ。54年、早稲田大学第一文学部卒業後毎日新聞社入社。外信部に所属し66~73年、ワシントン、ニューヨーク特派員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬参仟縁

30
1993年初出。人間は、ひび割れた器である(11頁)。他人に対する優越、権威、権力と、派生する敬意への欲求にこそ、人間の自己尊重の弱点が最も有害な表れ方をする(23頁)。トクビルは人間の自由に対する究極の危険、彼が生まれついた貴族社会が示したものより大きな危険を感じた(79頁)。主権とは元々は大支配者、普通は皇帝ないしそれに見合った者の人格に付与された特質だった(103頁)。オートメーションの箇所では、社会が失業に不満を唱えて労働を機械装置に替える意味がわからないという。2015/09/04

ポレポレ

1
「人間はひび割れた器」をはじめとする、味のある言葉と文章。最初に人間論から始まって、徐々に国内外の政治の話に移っていくのが面白い。そして数々の独創的で、考えさせられるアイディア。生きていた時代の違い、国の違い、そして何よりケナンの独自性の賜物だろう。もちろん彼が書いていることがどれほど正しいのかは分からないし、もしもケナンが書いていると知らなかったら一笑に付してしまうような意見もあるかもしれないが、そう言う面も含めて普段常識と考えていることについて考えさせられる。ケナンが自転車漕いでいた話は慶喜と被る。2022/09/17

maghrib

0
ケナン晩年の1993年に出版された政治・外交信条に関するエッセイ。米国に関する(批判的)評論も含む。後者は広告を主要収入源とする私企業が公共放送を担っている問題、政治家が国全体の利害を重視すべきなのに特定団体の利害を優先する問題など。ただし(自国の利害を超えた)国際社会全体の利害については過度の重視を避けるべきとしており、アメリカの道義的、潔癖主義的な指向を批判している。現実的な理想主義者といったところだが、晩年だからかエリート主義的な極端な意見も目立つ。今のアメリカを見たらどう思うか。2019/08/16

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