内容説明
近代日本が産んだ最高の財政家の回顧。自由主義者の深い思索と広い知見が多くの示唆を与える。
目次
明治大帝の御高徳
原が刺さるる朝
原君や牧野君らのこと
政治家の第一歩・山本権兵衛氏のこと
経済演説の嚆矢
政党の内情と困った人達
護憲運動と私の立場
予の「決意」
田中義一君のこと
井上準之助君の死を聞いて〔ほか〕
著者等紹介
高橋是清［タカハシコレキヨ］
明治・大正・昭和期の財政家、政治家。１８５４年（嘉永７年）幕府御用絵師の子として江戸に生まれ、仙台藩足軽高橋家の養子となる。藩の留学生として渡米して苦学。文部省、農商務省を経て、日本銀行に入り、横浜正金銀行を経て、日銀副総裁に就任。日露戦争外債募集に成功した。日銀総裁に昇任後、山本権兵衛内閣の蔵相となり立憲政友会に入党した。原敬首相暗殺ののち、首相・政友会総裁に就任。都合七度蔵相を務める（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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KAZOO
4
この人となりを知るにはまず[高橋是清自伝]を先に読んだほうがいいと思います。この本は表題通りで随筆というか自分の感じたことなどを老年になってから書いています。勝海舟の「氷川清話」に通ずるところがあります。ですから話が断片的になるのはやむを得ない感じがします。しかしながら金融恐慌関連の話などは興味を持って読めました。2013/04/19
酉井舎
2
『コレキヨの恋文』の参考文献に記してあったので読みました。あのセリフはここから引用したのか、と元ネタを知ることができ、読んでいくうちに話していることが現在でも通用するんじゃないかと思ったり、そんな前向きな高橋是清の生き様を本人の口から知りました。なかなか読みごたえがあって、彼を尊敬する人が多いのもわかる気がします。私自身、幾つかのページで胸にくるものがあり大いに参考になりました。2012/09/17
yagian
2
最近、歴史小説とか歴史書ではなく、その当事者自身が書いた文章をなるべく読むようにしている。いろいろな意味でそっちの方がはるかにおもしろい。高橋是清は、そのバラエティがあるキャリア、経験が金融危機への対処に結実したのだと思う。いま政治家は彼ほどの深みのあるキャリアを積んだ人がいるのだろうか、また、そのような人材育成の仕組みがあるのだろうか、と思った。2012/06/24
ロピケ
2
学生の頃、原敬、犬養毅と並んで、歴史の教科書に出てくる暗殺されてしまった人物としてしか記憶してなくて、なぜかこれらの人達に「惜しい人」という感情を勝手に持っていた。その後、『坂の上の雲』に先生として登場していたので、すっかり気になる存在に（特にアメリカで奴隷として売られたって、どういうことだろう。）。この本を読んで、さらにペルーの銀山で失敗した事も書いてあって、自伝の方も読んでみたくなった。原さんも犬養さんも実は高橋是清に近しい人で、是清は森有礼の書生だった！経済以外にも教育、結婚などについて面白く語って2011/02/07
アスワンハイダム
2
100年前の政治・経済・社会について蔵相、首相を歴任した高橋是清のエッセイ、対談集。100年経っても何も解決していないことや、何も変わっていないことが多すぎるなあ、と思います。それは日本に限らず。 イギリスで奴隷をさせられていた経験からなのか、世界の特徴を見極めるのは非常に説得力があり面白かった。 何のために働くか、何のために生きるかなど、色々と参考になったような気がします。2010/12/15
