中公クラシックス
イデオロギーとユートピア

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  • サイズ 新書判/ページ数 464p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121600868
  • NDC分類 361
  • Cコード C1236

出版社内容情報

ハンガリー生まれの知性によって書かれ、“存在被拘束性”という重要な概念を提起した知識社会学の古典

目次

英語版序文―問題の予備考察(思考の社会学的な見方;思考をめぐる今日的状況;近代における認識論的観点、心理学的観点、社会学的観点の始原;現代の問題としての集合的無意識の制御)
1 イデオロギーとユートピア(二つの研究の内的連関;概念についてあらかじめ説明をしておく必要性 ほか)
2 政治学は科学として成りたちうるか(なぜこれまで政治についての科学は存在しなかったのか;認識そのものが政治や社会によって拘束されているというテーゼの証明 ほか)
3 ユートピア的意識(基礎的な諸現象を解明する試み―ユートピア、イデオロギー、および現実の問題;ユートピア的意識の形態変化と、近代の発展におけるその諸段階)

著者等紹介

マンハイム,カール[マンハイム,カール][Mannheim,Karl]
1893~1947。社会学者。ブダペストに生まれ、ブダペスト大学哲学科を卒業。ドイツに留学し、ジンメルから強い影響を受ける。第一次世界大戦の勃発に際してハンガリーに帰国し、ルカーチなどとともにハンガリー革命の運動の一翼を担う。しかし反革命があり、ドイツに亡命する。1929年『イデオロギーとユートピア』を刊行後、フランクフルト大学教授となる。33年ヒトラー政権の成立とともにイギリスに亡命し、亡くなるまでロンドン大学で社会学、教育社会学を講じた

高橋徹[タカハシアキラ]
1926年(大正15年)京都府生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。同大学新聞研究所助教授を経て同大学文学部教授。2004年逝去

徳永恂[トクナガマコト]
1929年(昭和4年)埼玉県生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。大阪大学文学部助教授を経て同大学人間科学部教授。のち名誉教授、大阪国際大学政経学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

3
知識社会学入門書は、近代自然法思想後の哲学の可能性を論ずるものとしても読める。客観的秩序が否定され、思想は歴史的存在と切り離せないことが明らかになった以上、従来の哲学は不可能である。しかし、知的エリートは否定されない。それ自身階級的利害を持たない知識人のなかにその地位を保つ。哲学者とちがって、近代知識人は静的な秩序ではなく歴史を動かす動因に関する社会学的態度の保持者である。彼はもはや普遍的知を主張しない。ただ自分の立場の有限性を意識し、歴史のなかで全体が姿を現す可能性に自らを開いていると主張するだけである2019/05/21

羽生沢

3
序文と三本の論文から成るマンハイムの著作集。抽象的で読み切るには骨が折れるが、政治学を学ぶ人や知的生活を志向する人にとっては読む価値があると思う。2015/02/27

ぽん教授(非実在系)

2
カール・マンハイムによるイデオロギー論。今日使われるイデオロギーの意味を決定付けた記念碑的著作であり、分析の切れ味も鋭い。結局分析だけではだめで綜合も不可欠であるという主張にはまさしく同感であるが、その方法が歴史主義であるというところに時代的制約を感じる。2015/08/15

タイガ

1
https://note.com/okasodayo047/n/n0a9ced2dae36?magazine_key=m08beeaaed0472022/02/07

井蛙

1
マンハイムは思想が歴史・社会に規定されていると考えている点で相対主義者である。この事実から現状維持を志向するイデオロギー、改革を目指すユートピアが出てくるわけだが、知識社会学はこれらの言葉を敵対者の相対性を駁論する武器としてではなく自身の相対性とその社会的連関を積極的に引き受ける戦略として認める。そうした知の担い手は階級意識から比較的自由な浮動する知識人であるとされる。ならば知識人の位格そのものを疑うアウシュビッツ後のアドルノが手厳しくマンハイムを批判したのも故なきことではないだろう。2018/01/29

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