出版社内容情報
ブラジル奥地で文明に圧殺される寸前の人々に共感し、野生の知の復権を企てた一知性の同時代証言。
内容説明
中世人の生の息吹きをあざやかに描きだす高度に視覚的な筆致。
目次
13 信仰生活のさまざま
14 信仰の感受性と想像力
15 盛りを過ぎた象徴主義
16 神秘主義における想像力の敗退と実念論
17 日常生活における思考の形態
18 生活のなかの芸術
19 美の感覚
20 絵と言葉
21 言葉と絵
22 新しい形式の到来
著者等紹介
ホイジンガ[ホイジンガ][Huizinga,Johan]
1872~1945。オランダの歴史家、文明批評家。はじめ古代インド学で学位を得たが、ヨーロッパ中世史に転じ、1919年に『中世の秋』を発表して大きな反響を呼ぶ。ライデン大学学長をも務める
堀越孝一[ホリコシコウイチ]
1933年(昭和8年)東京都生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒、同大学大学院西洋史学博士課程修了。茨城大学勤務を経て現在は学習院大学文学部教授。学習院大学人文科学研究所所長
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
28
緒言でこの本の出発点は「ファン・アイク兄弟とその弟子たちの芸術をよりよく理解したい」との望みあったとするとおり、ファン・アイク兄弟たちの芸術に言及した章は圧巻です。それに続く最後の章で、ルネサンスと中世精神とは全く別のものなのだけれども、それは突然生まれたものではなく中世思想の花園のなかでゆっくりと成長してきたもので、それに気付くのは「生活の調子が変わるとき」、中世が死んだときにルネサンスは来るのだと高らかに謳われたとき、完成され爛熟し壮麗な衣装をまとって硬直する『中世の秋』の姿を捉えたように思いました。2016/10/11
風太郎
7
第一巻に比べ、抽象的なことが多くて読みづらかったですね。ただ、述べていることは結局同じで、どういう分野においても、その時代の理想形のようなものがあって、それに従って事が行われているということです。これはどの時代にも当てはまることで、価値観が多様化したと言われる現代にでさえも当てはまることです。私たちが過去の人になって、未来の人から歴史や習俗を研究された時、きっとこの本のように描かれるのではないのかな思いました。第二巻は読解が不足したような感じもあるので、時間をおいてもう一度読みたいと思っています。2018/04/04
しんすけ
5
18章の「生活の中の芸術」の段階からホイジンガの筆は冴えてくる。ここまでは事象を紹介する中でホイジンガの感想を語るスタイルだったが、ここからはホイジンガの解釈が前面に移っている。15世紀に造られた絵画や文学について「製作の動機は、その目的にあったのだ。なんらかの生活形式に役だつかどうか、これか問題だったのである。」という様に断定的な文章が多くなる。この文章だけでは鼻持ちならない印象も残るが、多くの事例を挙げてきたきた結果だけに読者を得心させる。中世には生活に根ざさない芸術は生き残ることはできなかったのだ。2017/04/23
j1296118
1
上巻で目立ったブルゴーニュ侯らに、善良侯の助言者ドニの面白話が加わり。薔薇物語も読まねば…… ピエール・ド・リュクサンブールはどうにも近寄り難いと言うより近寄りたくない類の人だったようだが、当時の人々には、或いは実際に近くにいた・評判を聞いた人達には訴えかけるものがあったのだろうか2015/12/06
mytopgun
1
文学はさっぱりわからないけど、絵画に関しては大体どの絵かわかるので、具体的な話が面白い。やっぱり古典と言われる本は読んでおくべきだと痛感。蛇足だけど、大学で専攻した人は基本的な文献を最初に読んでいるから、その辺が素人との差になるのかな、と、これはいろんな分野について感じること。2011/07/01
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