出版社内容情報
総理が命じても必死でPCR検査を抑制。執拗に感染者のプライベートを詮索。世界の潮流に背を向け、エアロゾル感染は認めない……。いまとなっては、非科学的としか思えないあの不可解な政策の数々はなんだったのか。だいたい、あの莫大なコロナ関連予算はどこに消えたのか。新型コロナは、日本の厚生行政とムラ社会である医療界が抱えてきた様々な問題を炙り出した。医療界きってのご意見番が、日本の厚生行政に直言する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こも 旧柏バカ一代
25
ここ4年程度の厚労省の医系技官の迷走ぶりと、コロナ補助金の利権に群がり税金を懐に入れた連中の批判本。普通に現場で患者に向き合う医者を町医者風情と侮どり、自身は国の中枢の御殿医だと踏ん反り返っているいる医系技官。御殿医様だから下々の民の事などは全く考えずに自身の保身と予算の獲得に邁進。他所の国では可能だった患者の早期発見、早期隔離という基礎的な事をせず。初期に出た様々な国で公開されたレポートを読まずに自身に都合の良い事を言い続けた結果。37.5度以上が4日以上続かないと検査出来ないと言う謎ルールが爆誕した。2023/10/11
あんさん
15
ちょうど帯にある「あの莫大なコロナ予算はどこに消えたのか?」を考えていたところに書店で目につき、ある程度のバイアスは予想しつつ読む。思ったのは自分たちが常に世界最先端で正しいとして、世界からの学びを怠ったベスト&ブライテストの姿。名門中学高校から医大へ医師へと進む姿と、陸軍幼年学校から陸大へ陸軍へと純粋培養された姿がダブる。批判できない政治家とマスコミ。そんな議員を選んだのは国民。外出自粛の影響で運動不足から高齢者死亡率増加は納得。オンライン診療や、中絶と安楽死の権利の議論がないのも確か。考えていきたい。2025/04/05
roatsu
12
死者多数で社会崩壊が起きるわけでもなく推移中(医療機関では未だに対策継続なので禍は終わってはいない)だが、日本人のテンプレである喉元過ぎれば、結果良ければ(よかないが)の対象となりつつある4年間のコロナ騒動。それに必然的な一石を投じる一冊。医療関係者として忸怩たる思いで不備だらけの国が打った諸対策を受け止めたがゆえ、はずだやではないかなどの感情が透けて見える主観的記述も多いが、厚労省医系技官に代表される厚生行政の構造的問題とそれが招く医療界のムラ化という宿痾をきっぱりと告発している。まあここにもザイム真理2023/10/20
小鳥遊 和
5
コロナ初期から一貫した主張をしているのはさすがだ。評者は自身も周囲も健康被害や経済的損害をほとんど被らなかったが、その評者が読んでも暗澹たる気持ちになる書。日本の保健医療行政は海外の最新知見を参照せず、科学的根拠も示さずにPCR検査を抑制し、クラスター対策=濃厚接触者特定という「積極的疫学調査」を続けた。その根底には厚労省結核感染症課、医系技官たち、感染研、感染症分科会らの構成する「感染症ムラ」の利権があるというのだ。高齢化した与党厚生族と記者クラブ化したメディアは彼らの迷走を阻めなかった。2025/05/14
たっちゃん
2
医系技官という特権階級の存在、弊害がわかった。2024/02/04