出版社内容情報
相次ぐ大規模災害、緊張が高まる国際情勢、感染症やサイバー攻撃――日本は今さまざまな脅威にさらされている。為政者が予期しない選択をする、あるいは偶発的な事故や大事件が起こったら、「分断」が生まれ、歴史は大きく変わるかもしれない。
「歴史のif=反実仮想」の歴史学は、欧米の学界では重要な研究として認知されてきた。日本では架空戦記や未来小説は親しまれてきたが、学術研究は端緒についたところで著者が開拓してきた。本書では「ありえたかもしれない過去」として、「軍国日本の継続可能性」「幻の本土決戦」「アメリカの日本分割統治案」などの日本開戦以降のターニングポイントに注目し、日本という国がまったく別の形になっていた可能性について検討を行う。また、「ソ連の脅威と北海道の分断」「東アジアの地政学リスク」「大震災」など、列島が分断される日本は、「ありうるかもしれない未来」としても描かれてきた。災害や脅威に対応するために、「反実仮想」の知見を積み上げることが今求められている。
最悪のシナリオを描いた小説やマンガに、危機克服のヒントを学ぶ。私たちはまだ本当の「分断」を知らない。
内容説明
災害、感染症、格差…いま各所で「分断」が叫ばれる。だが歴史を遡ると、敗戦直後には国が分割される恐れが実際にあり、分断統治や架空戦記を描いた小説・マンガが人気を博してきた。欧米ではこうした「歴史のif=反実仮想」の歴史学は重要な研究として認知されてきたが、本書は国内の研究では数少ない試みである。さらに震災等による列島分断を描いた未来小説も検証。最悪のシナリオを描いた作品群から、危機克服のヒントを学ぶ。
目次
序章 「仮想戦後」を考える
第1章 終戦―日本のターニングポイント
第2章 東西冷戦下の仮想地図
第3章 ポスト冷戦期の「分断後論」
第4章 共産化する「仮想未来」
第5章 独立国家論
終章 「分断」を抱きしめて
著者等紹介
赤上裕幸[アカガミヒロユキ]
防衛大学校人文社会科学群公共政策学科准教授。1982年生まれ。京都大学大学院教育学研究科教育科学専攻博士課程修了。博士(教育学)。メディア史、社会学を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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