中公新書ラクレ<br> コロナ後の教育へ―オックスフォードからの提唱

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中公新書ラクレ
コロナ後の教育へ―オックスフォードからの提唱

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121507082
  • NDC分類 372.1
  • Cコード C1237

出版社内容情報

教育改革をその前提から問い直し、神話を解体してきた論客が、コロナ後の教育像を緊急提言。オックスフォード大学で十年余り教鞭を執った今だからこそ、伝えたいこと。


 そもそも二〇二〇年度は新指導要領、GIGAスクール構想、新大学共通テストなど、教育の一大転機だった。そこにコロナ禍が直撃し、オンライン化が加速している。だが、文部科学省や経済産業省の構想は、格差や「知」の面から数々の問題をはらむという。


 以前にも増して地に足を着けた論議が必要な時代に、今後の教育を再構築するための処方箋をお届けする。

内容説明

教育改革を前提から問い直してきた論客が、コロナ後の教育像を緊急提言。オックスフォード大学で十年余り教鞭を執った今だからこそ、伝えられること―そもそも2020年度は新指導要領、GIGAスクール構想、新大学共通テストなど一大転機だった。そこにコロナ禍が直撃し、オンライン化が加速。だが、文科省や経産省の構想は、格差や「知」の面から諸問題をはらむという。以前にも増して地に足を着けた論議が必要な時代に向けた、処方箋を示す。

目次

第1部 日本型教育改革の習性(教育を論じる思考の習性;「変化の激しい、不透明な時代」という前提を問い直す;文部官僚による「法を道具にした統治」;大学教育は「抽象的改革論」に抵抗できるか)
第2部 入試改革、グローバル化…大学大混乱を超えて(2019年入試大混乱を生んだ「教育改革神話」を駁す;和製グローバル化の悲哀)
第3部 人文科学の可能性(文系研究の日本的特徴;海外の日本研究の推移が問いかけるもの;人類の危機に人文学は貢献できるか)
第4部 教育論議クロニクル―2016~20年(グローバル人材と大学;英語ができない日本人;グローバル・メリトクラシー;日本語の壁と大学ランキング;「口先だけの英語使い」はいらない;同学年一斉スタートのリスク;「英語を話せる日本人」が増えたとしても;欲張りすぎる教育改革ふたたび;新大学入試で浮上した「採点問題」;入試改革の闇は「見えないコスト」;ビッグデータ不在の教育行政)
コロナ渦中の教育論

著者等紹介

苅谷剛彦[カリヤタケヒコ]
オックスフォード大学社会学科およびニッサン現代日本研究所教授。1955年東京都生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了、ノースウェスタン大学大学院博士課程修了。Ph.D.(社会学)。放送教育開発センター助教授、東京大学大学院教育学研究科助教授、同大学院教授を経て2008年より現職。著書に『教育の世紀』(弘文堂、サントリー学芸賞、増補版・ちくま学芸文庫)、『階層化日本と教育危機』(有信堂高文社、大佛次郎論壇賞奨励賞)、『追いついた近代 消えた近代』(岩波書店、毎日出版文化賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

TAK.I

11
日本が抱える教育の問題点を鋭く指摘している。日本は事実から帰納的に政策を考えた痕跡がないとはまさにその通りで、日本の決定的に弱い部分と言える。筆者は日本の教育改革を印象論・エセ演繹型思考と論じる。第四部の教育クロニクルの章では、東洋経済誌の時論コラムを時系列に並べ、その時々における教育課題に対して論じている。初見だったので、幅広い話題に触れることができた。ただ、現状について述べられてはいるものの日本の教育がどこへ向かうべきなのかといった道標がいまいち示されているとは思えず、学のない自分には少々難しかった。2021/06/27

Nobu A

9
苅谷先生著書節目の10冊目。通常同著者のをこれだけ読むと使い回しも散見し飽きてくるが、それどころか益々魅力を感じる。時には再読必要な晦渋だと感じるものもあるが。相性が良いのかな。慧眼とも言える着眼点、筋の通った構成力、犀利な考察。帰納型英国と演繹型日本の対比で文科省主導で進む教育改革の問題点を明晰に分析。大学とは何ぞやには複数の論考に触れてきたが、著者の定義付け程府に落ちるものはない。「知の生産・再生産する場」を中心に置かないと話がブレる。人文学の在り方や意義等、勉強なった。一点だけ。第四部は不要かな。2021/04/30

hr

2
日本の教育は結局理念を先に決めてしまう傾向があることを痛感する。だいたい「教育目標」だの「建学の精神」だのは、子どもや現場よりも前に決められたものだ。決めた目標や精神自体の検証、育った子どもの実際を検証する術を持たないまま、文科省も現場も有識者たちの教育ポエムに振り回され続けている。大変な国だね、、、2021/08/13

マーチャ

2
今までの教育改革は、事実の検証が確かに不充分だった。地域格差を暴露するとか個の学力状況を知らしめるとか言う微視的論拠に踊らされて。でも、これから世界の中である程度の自由と豊かさを持って生活するなら、実態の把握にを帰納的検証に基づき方向性や伸張する用を見つけていかなければ感情論や経済論だけに振り回されてしまう。これからのビッグデータ利用が不可欠な時代に倫理観や人間性といったものを加味しながら世界的視野に立って教育の方向性を見なければならない時代だと痛感した。2021/04/10

Go Extreme

2
日本型教育改革の習性:教育論を論じる思考のクセ・「変化の激しい・不当目な時代」の前提を問い直す・文部官僚による「法を道具にした統治」・大学教育は「抽象的改革論」に抵抗できるか 入試改革、グローバル化ー大学大混乱を超えて:2019年入試大混乱を生んだ教育改革神話・和製グローバル化の悲哀 人文科学の可能性:文系研究の日本的特徴・海外の日本研究の推移が問いかけるもの・人類の危機に人文学は貢献できるか 教育論議クロニクル:グローバルメリトクラシー・欲張りすぎる教育改革・ビッグデータ不在の教育行政 コロナ禍の教育論2021/01/30

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